重ねる日々に見出す希望の物語―『今はちょっと、ついてないだけ』の特報映像が解禁された。

部屋に差し込む朝の光、コーヒーの香り、湖を渡る風…。シェアハウスと自然を舞台に、ゆったり流れる時間の中で、日々を丁寧に生きようとする不器用な大人達の輝きを見つめる映画が誕生した。かつてはスター・カメラマンだった寡黙な主人公を演じるのは、『カフーを待ちわびて』以来13年ぶりの映画主演となる玉山鉄二。シェアハウスの仲間達に音尾琢真、深川麻衣、団長安田(安田大サーカス)、ほか高橋和也らが顔を揃える。「四十九日のレシピ」他が映像化された作家・伊吹有喜の同名小説(光文社文庫刊)を原作に柴山健次監督が映画化。ままならない現実を「今はちょっと、ついてないだけ」と受け入れ、“心が本当に求めるもの”を重ねる日々に見出していく丁寧な生き方が、心をそっと幸せで満たす。

今回、解禁となった特報では、不本意ながら借金を抱え表舞台から姿を消した、玉山鉄二演じる元人気カメラマンの立花が、音尾琢真演じる失職した元テレビマンの宮川、深川麻衣演じる求職中の美容師の瀬戸、そして団長安田演じる落ち目な芸人の会田らとシェアハウスで出会い、“今はちょっと、ついてない”仲間たちと過ごす日々が映し出されている。美しい緑の木々に囲まれた北竜湖でのカヌー。心も身体も温まる一杯のコーヒー。共に時間を共有しながら、「今ここにたどり着き、生きている」主人公たち。「ゆっくり、進もうか」と再びカメラを構える立花の気持ちが静かに伝わる映像となっている。

本作について、柴山健次監督は「この物語は30代半ばから40代の人生模様に絞っている。一通りの体験を経た世代であり、立ち止まってしまう時期であり、振り返ってしまう時期。自分のこれまでが、これからが、正しいなんて言い切れない不安感の中、それでも月日は流れていってしまう。誰もが必死で生きていると知りながらも、自分だけが苦しんでいるんじゃないかと、考えてしまう」としたうえで、「様々な人生模様を通して、物語の受け手の私たちにも、同じ思いを見せてくれる。 苦しみも哀しみも引き受けて、この先を生きるんだと、勇気を与えてくれる物語。がむしゃらに働くことが善しとされ、疲れ果てている世代に、 包み込むような愛のある眼差しの映画となる」とコメント。ままならない現実を「今はちょっと、ついてないだけ」と受け入れ、“心が本当に求めるもの”を重ねる日々に見出していく丁寧な生き方が、心をそっと幸せで満たす。観る者にそっと寄り添う一作だ。

特報映像

また、開催中の「映画のまち調布 シネマフェスティバル2022」(2月11日(金・祝)~3月6日(日))で、2月26日(土)に実施する「映画のつくり手」に贈る映画賞「映画のまち調布賞」授賞式にて、『今はちょっと、ついてないだけ』の世界最速上映が決定。当日は柴山監督、玉山鉄二、深川麻衣によるトークイベントが実施される予定。

『今はちょっと、ついてないだけ』は2022年4月8日(金)より新宿ピカデリーほか全国で順次公開!
監督/脚本:柴山健次
出演:玉山鉄二、音尾琢真、深川麻衣、団長安田(安田大サーカス)/高橋和也
配給:ギャガ
©2022映画『今はちょっと、ついてないだけ』製作委員会