アガサ・クリスティの傑作ミステリーを映画化した『ナイル殺人事件』のケネス・ブラナーが、名探偵ポアロとウィリアム・シェイクスピアの共通点を明かしている。
“ミステリーの女王”の異名を持つアガサ・クリスティが生涯を通して書き続け、今なお全世界で愛される“名探偵ポアロ”シリーズ。時代を超越した人気シリーズの中でも、アガサ自身が“旅行物のミステリーで史上最高傑作”と称する原作「ナイルに死す」を『オリエント急行殺人事件』(17)に続き、ケネス・ブラナーが監督・主演を務め映画化。共演は、『ワンダーウーマン』(17)で一躍時の人となったガル・ガドットや、『ローン・レンジャー』(13)、『君の名前で僕を呼んで』(17)のアーミー・ハマー、そして製作総指揮にはリドリー・スコットがあたるなど、ハリウッドを代表する豪華なキャスト・スタッフ陣が集結した。
『ハムレット』(96)や、アカデミー監督賞及び主演男優賞にノミネートされた『ヘンリー5世』など、これまでシェイクスピア作品の数々を手掛けてきたケネス・ブラナー。本作でちょっと変わり者だが切れ者の名探偵エルキュール・ポアロを演じているケネスは、『シェイクスピアの庭』(20)で偉大な劇作家ウィリアム・シェイクスピアを好演している。名探偵と世界的な劇作家、一見するとどこも似つかわしくない2人に思えるが、ケネス曰く、大きな共通点があるという。
ケネスは、両者の共通点について「似通っている部分があると思います。シェイクスピアは英雄の帰省のような扱いを期待して故郷のストラトフォードに戻ります。しかし偉業を成した者は、自分の家に帰っても家族に歓迎されないことは付きものなんです。ポアロも風変わりな人物であり、少し孤独で、人と距離のある人間です」と意外なポイントを明かした。数々の難事件を解明しながらも、生涯独身を貫いたポアロと、華々しい演劇人生を送った半面家族との穴を埋めきれなかったというシェイクスピア。彼らは“偉業を成しながらも、理解者のいない孤独な人生を歩み続けた”という点で同じだった。
原作で明かされているポアロの人生は実にユニークなもの。彼はもともとベルギーで警察官として活躍し、署長にまで出世した後、第一次世界大戦中にドイツ軍の侵攻によりイギリスに亡命することを余儀なくされる。その先で友人のアーサー・ヘイスティングズ大尉と再会し殺人事件を解決したことからポアロの探偵人生が始まり、人生の幕引きまで妻子を持たず数多くの難事件を解決していくこととなる。ケネスはポアロの魅力について「いかに社交的であっても、どこかはみ出し者だと感じることは誰にでもありますよね。そんな風に人が時に抱く思いが反映されているポアロの振る舞いが、観客の心に響くのだと思います」と語り、共感性を秘めたキャラクターであることを明かした。有名キャラクターと偉人の意外な共通点が明かされた今、ポアロの人生の一端を見届けてほしい。
ナイル川を往く豪華客船内で起こる美女の死、そして次第に浮き彫りとなるそれぞれの思惑と複雑に絡み合う人間関係…。アガサ・クリスティの最高傑作とも言われるミステリーの実写化と名探偵ポアロの名推理に、今世界が注目をしている。
『ナイル殺人事件』は全国で公開中!
監督:ケネス・ブラナー
出演:ケネス・ブラナー、ガル・ガドット、アーミー・ハマー
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
©2022 20th Century Studios. All rights reserved