ミュージカル『ラ・カージュ・オ・フォール』の開幕に先駆けて、3月7日(月)に初日前日会見が東京・帝国劇場で行われた。
『ラ・カージュ・オ・フォール』は、1973年にジャン・ポワレ作のフランスの劇として誕生し、ストレートプレイとして仏演劇史上最長のロングランを記録。ミュージカル版は、1983年8月21日にパレス・シアターで開幕、全1,761回のロングラン公演を達成した。そして、2004年にはブロードウェイでリバイバル公演が行われ、再びトニー賞2部門を受賞。ミュージカル版の日本初演は1985年に上演。1993年からはザザ役を市村正親が演じ、2008年からはジョルジュ役に市村の劇団四季時代からの盟友・鹿賀丈史を迎え、「ラ・カージュ」史上最高のコンビが誕生。2008年、2012年、2015年、2018年と再演を重ねてきた。
会見に登壇したのはジョルジュ役の鹿賀丈史、ザザことアルバン役の役の市村正親、ハンナ役の真島茂樹、ジャクリーヌ役の香寿たつき、エドワール・ダンドン役の今井清隆、マリー・ダンドン役の森公美子の6人。
2008年から出演し、今回で5回目の出演となる鹿賀は「人を想う気持ちとか、メッセージが少しでも楽しく伝われば」とコロナ禍での上演に対する思いを語った。一方で、1993年から出演を続ける市村は「だんだん(自身が演じる)ザザの年齢に近づいてきて、今回が本当のザザを演じることができるんじゃないかと思います」と感慨深げに語った。
鹿賀も「俳優さんそれぞれの年齢に適した役の引っ張り方ができてきて。『ラ・カージュ・オ・フォール』の持つ意味合いが出ていると思います」と今だからこそ演じられる作品の良さがあることをアピール。そんな中でも「変わらない部分は愛ですね」と語る市村は「いろいろなところが変わっています。お客さんに見えないところでごまかしていますけど。でも愛は変わりません」と笑いを誘いつつも、作品と役に対する思い入れを語った。
そんな鹿賀と市村は「僕が24(歳)で、(鹿賀)丈史が22(歳)のころに出会って、その頃を知ってる」という市村。『ラ・カージュ・オ・フォール』での共演では「一緒にデュエットを歌ったり、お芝居をできるのが、約50年の付き合いがあるので、そういうことを想いながら芝居していると、芝居なのか現実なのか分からないくらいの、いい相棒だなと思っています」と語った。
そして鹿賀はあらためて「今回が今までで一番出来がいい。それだけの熱量をつぎ込んで稽古をしてきました」、市村は今回が本当の『ラ・カージュ』を演じることができる気がしています。本当に今この時を、お客様と一緒に生きることができたら嬉しいです。素晴らしい愛をお届けすることができると思います。エネルギーになると思います」と本作をアピールした。
【写真・文/編集部】
『ラ・カージュ・オ・フォール』は3月8日(火)~30日(水)に東京・帝国劇場で上演、4月9日(土)・10日(日)に愛知・愛知県芸術劇場 大ホール、4月16日(土)・17日(日)に富山・オーバード・ホール、4月22日(金)25日(月)に福岡・博多座、4月29日(金・祝)~5月1日(日)に大阪・梅田芸術劇場 メインホール、5月7日(土)・8日(日)に埼玉・ウェスタ川越 大ホールで上演!