『余命10年』の大ヒット御礼舞台挨拶が3月17日(木)に丸の内ピカデリーで行われ、小松菜奈、坂口健太郎、主題歌を担当したRADWIMPSの野田洋次郎が登壇した。
2017年の発売以来、切なすぎる小説としてSNS等で反響が広がり続け、現在50万部を突破している「余命10年」(小坂流加著/文芸社文庫NEO刊)を、『新聞記者』、『ヤクザと家族 The Family』の藤井道人監督がメガホンをとり、映画化した本作。脚本は等身大の若者のラブストーリーを描き、多くの大ヒット感動作を世に放ってきた岡田惠和、渡邉真子が担当。数万人に一人という不治の病で、余命が10年であることを知った20歳の茉莉。彼女は生きることに執着しないよう、恋だけは決してしないと心に決めていた。しかし地元の同窓会で和人と出会い、茉莉の10年は大きく動いていく…。
冒頭では「昨日地震があって、大丈夫でしたか?私はちょっと冷静さを失ってしまいました。とっさに起きることってこんなにも頭と体が動かなくて。怖くて夜もあまり眠れずにいた」と挨拶した小松は「何が起こるか分からない日々の中で、自分と大切な人を守り、明日を生きることをこの映画にもちゃんと閉じ込めています」と本作で自身が演じたキャラクターと重ね合わせた。
そして野田がサプライズで登場すると観客からは大きな楽手が寄せられた。主題歌「うるうびと」については、映画のクランクイン前に野田が「原型」となる楽曲を作り、実際にそれを聞いたという小松は「曲のおかげで扉を開いてくれた。この音楽を超えるものを作っていかないと負けてしまうと思いながら、目指す場所があったので、演じていても助けられることが日々ありました」とこの楽曲を手掛かりに映画を作っていったことを明かした。
坂口も「(自身が演じる)和人を作る中で助けになったし、気が引き締まった」と振り返り、本楽曲があったことで「指針のような印象があった。みんなが同じ方向を見て歩ける、みんなの向きが揃って足を踏み出せたのは、『うるうびと』という曲があったから」と感謝の気持ちを表した。
舞台挨拶では、野田が主題歌「うるうびと」を弾き語りで生披露。すぐ目の前で聞いていた小松は「すごすぎます。言葉に言い表せない。いま超贅沢な時間だなと噛みしめてしまいました」と考えい深げな様子で「この映画に命を吹き込んでくれて、本当にありがとうございます」と感謝の気持ちを語った。一方で野田は「手が震えました。(この曲を)人の前で歌のが初めてだったので。2人の前で、そして見てくださったみなさんの前で、演奏ができて幸せでした」と安堵の表情を浮かべた。
最後に坂口は「いろんな方々に知ってもらって、愛してもらったからこの場に立ててるんだなと嬉しく思います。奇跡が起きて人と(一緒に)いる。改めて奇跡を感じて、周りの人にいとおしい気持ちになれる作品です」、小松は「舞台挨拶では感極まって泣いてしまうことが多かったんですけど、それくらい魂を込めてみんなで作って、茉莉として全身で生き抜いてきました。かけがえのない一年間、人生の財産になる作品だと思いました。何年も、何十年先も、『余命10年』が愛されるといいなと思います」とメッセージを送った。
【写真・文/編集部】
『余命10年』は公開中!
監督:藤井道人
出演:小松菜奈、坂口健太郎、山田裕貴、奈緒、井口理/黒木華、田中哲司、原日出子、リリー・フランキー/松重豊
配給:ワーナー・ブラザース映画
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