阪本順治が脚本・監督×伊藤健太郎が主演を務める映画『冬薔薇(ふゆそうび)』の公開日が6月3日(金)に決定し、併せて特報映像が解禁された。

阪本順治監督によるオリジナル脚本で、人間の業を切なく儚く紡ぐ本作。主人公の青年・渡口淳を演じるのは、本作が2年ぶりの映画出演となる伊藤健太郎。阪本監督が伊藤健太郎をイメージして当て書きした。ある港町。専門学校にも行かず、半端な不良仲間とつるみ、友人や女から金をせびってはダラダラと生きる渡口淳(伊藤健太郎)。“ロクデナシ”という言葉がよく似合う中途半端な男だ。両親は埋立て用の土砂をガット船と呼ばれる船で運ぶ海運業を営むが、時代とともに仕事も減り、後継者不足に頭を悩ませながらもなんとか日々をやり過ごしていた。淳はそんな両親の仕事に興味も示さず、親子の会話もほとんどない。そんな折、淳の仲間が何者かに襲われる事件が起きる。そこに浮かび上がった犯人像は思いも寄らない人物のものだった……。

今回解禁された特報映像は、主人公の青年・渡口淳(じゅん)を演じる伊藤健太郎の撮影時のコメントから始まる。「今はもう、失うものは何もない。お芝居ができる環境にいられるということがすごく幸せ」と語るその姿には、本作に懸ける並々ならぬ思いが込められている。その後には、今回初めてタッグを組んだ阪本順治監督との撮影現場でのやり取りが続く。本作の製作発表時(撮影時)に「伊藤健太郎に逢ってから当て書きした脚本で、余力があればスタッフとして現場でも働いてくれている」と阪本順治監督がコメントしている通り、この撮影現場の様子からもその意気込みが伝わるだろう。そして最後に映し出されるスローモーション映像は、この特報唯一の劇中シーンだ。静かに、目を伏せがちに振り返る淳の眼差しの先に待つものとは…。

特報映像

『冬薔薇』は2022年6月3日(金)より新宿ピカデリーほか全国で公開!
脚本・監督:阪本順治
出演:伊藤健太郎
配給:キノフィルムズ