Netflix映画『桜のような僕の恋人』のプレミアイベントが3月23日(水)に都内で行われ、中島健人、松本穂香、深川栄洋監督が登壇した。

2017年に発売され、泣ける恋愛小説として話題となり、発行部数60万部を突破した宇山佳佑著のベストセラー小説『桜のような僕の恋人』(集英社文庫刊)を映画化。かねてより原作ファンを公言している中島健人が主人公・朝倉晴人役、有明美咲役を松本穂香が演じる。美容師の美咲(松本穂香)に恋をした晴人(中島健人)は、勇気を出して彼女をデートに誘う。目標に向かって頑張る美咲にふさわしい人間になるべく、諦めかけていたカメラマンへの夢を叶えるため再びカメラと向き合うことを決意する。しかし、美咲は「人の何十倍も早く老いていく」という難病を発症する。好きな人と同じ速度で歳月を重ねることができない、という現実を前に晴人と美咲が出した“2人の歩み方”とは…。

桜に囲まれたステージに、桜色の衣装に身を包んだ中島は「満開の桜が咲く時間をみなさんにお届けできたら」「撮影から今日まで強く僕のことを支えた作品。明日から世界中に桜の微笑みを届けられることをうれしく思います」と感慨深げに挨拶した。松本は「本当に素敵な現場だったので空気が届けば」と撮影の日々を思い返した。

本作を見て「涙が止まりませんでした」という中島は「一つ一つのシーンが本当に美しくて、見ている人を魅了する映画。本当に美しい映画になった」と言い、松本も「ずっと泣いているくらい。温かさが真ん中に立っている中島さんの持つものからきていたんだなと、作品を見ていて感じました」と座長・中島のたたずまいについてもコメント。

そんな中島について松本は「晴人くんの優しい感じと。ご本人の素敵なところが春人くんという役に全力で注がれていた」と称賛した。また、「最高傑作になりました」と自信を見せる中島だが「僕自身の感想だから、最終的には見てくださるみなさんに最高傑作にしていただきたい」と語った。

自分に自信が持てない晴人を演じた中島だが、その役作りについては「人間らしい。身近にいる青年」と分析し、そのうえで日頃のルーティーンをやめていたこともあったといい「香水をつけるのをやめました。普段は必要なアイテムだけど、撮影時間中は全くつけなかった」と明かす中島だが、“今は?”という質問に「Everyday」と“Netflix”ならではの英語で回答し、会場を沸かせた。また、身体だけが老いていくという役どころに松本は「考えていても想像が追いつかない」と難しい役だったことを明かした。

丁寧に時間をかけて撮影したという本作だが「僕らのその時間を生きていたリアルがそのまま切り取られています」という中島は「ラブストーリーを築き上げていくうえで、お互いが信頼しあって作るのは大切なこと。それが美しく表現できている」と振り返った。

また、渋谷の街中を走る回るシーンでは「こんな贅沢な時間ない。ずっとこの時間が続いたらいいのになって走りながら思いました」と振り返った中島。人がいない渋谷については「都会的楽園。一つの映画の作品に没入しているような、誰もいない都会の美しさはいいなと思いました。監督が『朝の4時5時は東京が最も美しい時間』とおっしゃっていたんです。“ビューティフル東京タイム”を存分に味わえた」と再び英語で表現した。

主題歌はMr.Childrenが担当しているが、その楽曲について中島は「また涙した。プロデューサーに見られたくなくて花粉症ですって言いました」とごまかしたことを明かし、「Mr.Childrenさんの楽曲は昔から聞いていたし大ファン。こんなに贅沢な映画はないと思う」と楽曲についても触れた。

作品の内容にちなんで“春に思い出すこと”を聞かれた中島は「オーディションを思い出します。13時から始まる予定だったけどギリギリで、12時58分とかに着いたんです。最後がおれだったんですけど、(番号を)取ろうとしたら『You、遅いよ』って言ったのがジャニーさん。ギリギリに生きてもいいんだな。そういう覚えられ方もありだなと、春になるとそのエピソードを思い出す」とエピソードを披露しつつ、「ダメですよ、ギリギリは」と加え、笑いを誘った。

また、中島は「新社会人として新たな人生を始めるうえで、一番大切なのは第一印象だと思う。新たな自分に生まれ変わるんだと思った瞬間に、花のような笑顔を振りまいてほしいな、そうすれば明日からももっと楽しい人生になるんだと思う。笑顔を絶やさずに」と新たな生活に一歩を踏み出すファンに向けてエールを送った。

既に鑑賞した人からのメッセージが上映されると、「僕らが作り上げる映画が前向きにできるとメッセージが教えてくれた。温かい気持ちを大切にして表現を続けていきたい。みなさんと満開の桜を見るような感覚になりそう」と語る中島。松本も「見た時だけでも楽になれるような、そんな作品が届けられたらと思っているので、たくさんの方に届いているのが嬉しいです。見てくれた方の言葉が私自身を救ってくれる、支えになってくれる」と改めて感謝の気持ちを語った。

最後に松本は「私の中で宝物のような作品です。映っていないスタッフの一人一人の温かい思いがたくさん詰まった映画です。たくさんの方に私たちの思いが届けば」、中島は「多くの方々に支えられながら最後まで走りきることができたと思っています。お芝居で気絶しかけたこともあったし、監督に救っていただいたこともあった。人生で経験したことがない、最も衝撃的な部分を表現できて、晴人として生きれたと思っています。恋愛って、本当にいいなと思います。世界のみなさんに、ほほえみと思いやりを伝えたいです。どうかこの作品を愛してください」とメッセージを送った。

【写真・文/編集部】

Netflix映画『桜のような僕の恋人』は2022年3月24日(木)よりNetflixにて全世界同時配信!
監督:深川栄洋
出演:中島健人、松本穂香、永山絢斗、桜井ユキ、栁俊太郎、若月佑美、要潤、眞島秀和、モロ師岡/及川光博