『とんび』の公開直前イベントが3月24日（木）に都内で行われ、阿部寛、北村匠海が登壇した。

幾度途切れても必ず繋がってゆく親子の絆を描く不朽の名作、重松 清著「とんび」初の映画化。監督は多くの深遠な物語をエンターテイメントとして昇華させてきた『64 -ロクヨン-』『糸』などを手掛ける、瀬々敬久。主人公の、破天荒ながら愛すべき父・ヤス役には、『テルマエ・ロマエ』「下町ロケット」などの大ヒット作で、圧巻の表現力と存在感を放つ阿部 寛。ヤスの息子・アキラ役には、若手実力派の中でも突出した才能を発揮する『君の膵臓をたべたい』『東京リベンジャーズ』の北村匠海。新たな“とんびと鷹”で贈る、いつの世も変わることのない親子の不滅の絆を描く“家族の物語” ──。

今回初共演の阿部と北村。「初めて会った時にちょっと似てるかなと親近感を感じた」と振り返った阿部は「イベントでもいい意見を言って、頼りにしています」と信頼していることを明かした。一方で北村は「子供の時から少しずつ顔が濃くなっていったのですが、将来的に阿部寛さんのようになっていくんじゃないかと期待を背負っていた自分がいました。今回光栄でしたし、ちょっと父に似ていたりする」と明かし、笑いを誘った。

実際に共演してみて、劇中で北村に怒られるシーンがあるという阿部は「普段の北村くんとのテンションの違い。ビックリしてしまって…こんなに声が出る人なんだと。その日、一日立ち直れなかった」と普段の北村と役との違いや、怒られるシーンということも重なり、ショックがあったという。北村は、阿部について「お子さんの話をするときがキラキラしていて。リアルな親子トークを現場でしていて、ほっこりしたのと同時に阿部さんのチャーミングな面を見れた」と“意外な一面”があったことを明かした。

今回のイベントは作品のテーマにちなんで親子限定で行われたが、会場にいる親子がそれぞれの言い分を披露するコーナーも。中学生の娘と登壇した父親が“最近話したり、出かけてくれない”と悩みを明かすと、娘からは「実は彼氏ができて」と告白。北村からは「大人の階段を登っていっているということなので…」と父親の気持ちを汲みつつも、その場を解決しようと試みるがショックを隠せない様子の父親。これに北村は「（自身は）今になって友達みたいに一緒にお酒飲んで昔話とかしながら楽しくやってたりする。今日この日をいつかお酒のつまみにする日が来るかもしれない」と自身の経験を重ねた。

母親が心配性と大学生が打ち明けると、自身の母親も心配性だという北村は「意外と子供も楽しんでたりするし、親御さんの心配以上に意外と子供たちがふらっと行く場所はワクワクが詰まってる」と共感している様子を見せつつも、北村は3歳下の弟に対して「心配しますよね」と親の気持ちにも共感する場面がある様子だった。

最後に北村は「自分も大人になっていくにつれて親のありがたさを、子供のうちに気づいておけばよかったなと思うこともいっぱいあって。それが『とんび』にも散りばめられている。親子の愛情はいつまでもつながれているものですし、再確認できる映画です」、阿部は「親も子も器用じゃない。言い方も分からない。『とんび』はまさにそうで、うまく表現できなくて、だけどそこに感動のドラマがあったり、絆とか。支えあっていくというのが『とんび』なので、今の時代だからこそ見ていただく意味があると思います」と本作をアピールした。

【写真・文／編集部】

『とんび』は2022年4月8日（金）より全国で公開！
監督：瀬々敬久
出演：阿部寛、北村匠海、杏、安田顕、大島優子、濱田岳、宇梶剛士、尾美としのり、吉岡睦雄、宇野祥平、木竜麻生、田中哲司、豊原功補、嶋田久作、村上淳、麿赤兒、麻生久美子／薬師丸ひろ子
配給：KADOKAWA
©2022『とんび』製作委員会