今月3月27日(日本時間3月28日)に第94回アカデミー賞授賞式がロサンゼルスのドルビーシアターで行われる。作品紹介と共に見どころ満載のアカデミー賞の魅力を総まとめ。

今回はNetflixで見られるアカデミー賞のノミネート作品を特集!前編は作品賞部門など多くの部門で選出されている2作品を紹介。自宅でノミネート作品を満喫するのはいかが?

『ドント・ルック・アップ』

本作は作品賞を始め、4部門(作品賞、脚本賞、編集賞、作曲賞)にノミネート。アダム・マッケイ監督の最新作。レオナルド・ディカプリオ、ジェニファー・ローレンス、そしてメリル・ストリープ、ジョナ・ヒル、ケイト・ブランシェット、ティモテ・シャラメ、アリアナ・グランデという前代未聞の豪華キャストが集結している。

彗星が地球に衝突するという危機を世界中にその真実を伝えようとするストーリーをコメディタッチだが時には切なく、人間の欲にまみれ汚い部分までも繊細に描いている。アリアナの歌声から今まで見たことのないメリル・ストリープを見ることができる。最後までストーリーに惑わされ、ユーモラスに溢れた作品となっている。

落ちこぼれ天文学者ランドール・ミンディ博士と教え子のケイトは、地球衝突の恐れがある巨大彗星を発見する。迫り来る人類の危機を世界中に知らせようと、2人は仲間の協力を得て大統領と彼女の息子で補佐官のジェイソンに直訴したり、陽気な司会者ブリーの番組に出演して危機を訴えるが聞き入れられず、それどころか事態は思わぬ方向へ。果たして2人は地球の危機を救うことができるのか?

『パワー・オブ・ザ・ドック』


『ピアノ・レッスン』でカンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞、同作でアカデミー賞脚本賞受賞を誇る名監督ジェーン・カンピオンの11年ぶりの最新作が、最多12部門(作品賞、監督賞、主演男優賞、助演男優賞、助演女優賞、脚色賞、撮影賞、編集賞、美術賞、録音賞、作曲賞)にノミネート。昨年のヴェネチア国際映画祭では銀獅子賞(最優秀監督賞)を受賞し、以降も数々の映画賞を受賞し話題となった。本作で夫婦役を務め私生活でも夫婦である、ジェシー・プレモンスとキルステン・ダンストの助演男優賞、助演女優賞のW受賞なるか?!また、カンバーバッチ初のオスカー受賞に期待がかかる。

タイトルの『パワー・オブ・ザ・ドック』とは聖書の詩篇「私の魂を剣から、私の命を犬の力から救い出してください」から採られている。そこに隠された意味とは・・。映画の細部まで隠された真実が描かれ、すべて衝撃的なラストシーンへと繋がる。じわじわと観客に疑問を抱かせ推測する物語に虜になっていく。また、ベネディクト・カンバーバッチのカウボーイはまさに熱演。母ローズのひとり息子ピーターを演じるコディ・スミット=マクフィーの謎に満ちた知的で魅惑的な雰囲気と対照的で互いの魅力を引き出し合っている。

ある日、地元の未亡人ローズと、その息子ピーターと出会った大牧場主のバーバンク兄弟。弟・ジョージはローズと結婚し、家に迎え⼊れることに。これにショックを受けたフィルは、すべてを壊そうと、残忍で執拗な攻撃を仕掛けるが、とある事件をきっかけに、人を愛することへの可能性が芽生え始め―。

Netflix映画『パワー・オブ・ザ・ドッグ』独占配信中
Netflix映画『ドント・ルック・アップ』独占配信中

【文/片岡由布子】