『とんび』の初日舞台挨拶が4月8日(金)にTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、阿部寛、北村匠海、杏、安田顕、大島優子、瀬々敬久監督が登壇した。

幾度途切れても必ず繋がってゆく親子の絆を描く不朽の名作、重松 清著「とんび」初の映画化。監督は多くの深遠な物語をエンターテイメントとして昇華させてきた『64 -ロクヨン-』『糸』などを手掛ける、瀬々敬久。主人公の、破天荒ながら愛すべき父・ヤス役には、『テルマエ・ロマエ』「下町ロケット」などの大ヒット作で、圧巻の表現力と存在感を放つ阿部 寛。ヤスの息子・アキラ役には、若手実力派の中でも突出した才能を発揮する『君の膵臓をたべたい』『東京リベンジャーズ』の北村匠海。新たな“とんびと鷹”で贈る、いつの世も変わることのない親子の不滅の絆を描く“家族の物語” ──。

「なんでこんなに緊張しているんだろう」という瀬々監督だが、これまでにもタッグを組んでいる阿部は「こんな瀬々さん初めて見る。『この映画おもしろい』ですと。監督がそう言ってくれるのが嬉しくて、自信になります」と笑顔を見せた。大島は、自身の祖母が公開初日に見て“泣いた”と連絡が来たというが、そんな本作に阿部は「こんなに胸を打つ歌い方ってあるんだな」と歌のシーンを感慨深げに振り返った。自身が出ていないシーンも多い本作に北村は映画を見て「月日がすごく早く過ぎていくので、感情の波が小刻みにあるからずっと泣いてました。自分が出てきてやっと正気に戻る」と共感している様子だった。

4月を迎えたことにちなんで、この春新たに始めたことや始めたいことを聞かれると「昨日から考えたんですけど思いつかないんです…」という阿部は「細かいことは、言語やったりして三日坊主で終わったり」と困り果てる阿部に、安田から「ご自分の公式ホームページを更新されたら」とツッコミが入り、これに阿部は「あれ人気だから」と笑顔で返し、会場は笑いに包まれた。

一方で「始めたいことばかり」という北村は「ゴルフをやりたい。釣りも本格的にやりたい。サーファーの友達がいるのでサーフィンもやりたい」と次々と挙げ、「アクティブなことはやりつくしてやろうかなと。もしかしたら真っ黒になってるかもしれない」と語った。また、「早起きを始めたい」という安田は「休みの日の早起きが難しい。夜更かし好きなので、休みだと思うと深くまで起きてしまう」と悩みを明かした。「ベランダの掃除を始めた」という大島だが「きれいになったらプランター菜園を始めたい」と語った。

さらに、新しい環境に身を置くことについて「『(兄弟で)一番下だから失敗してもいいからとりあえずやってみろ』という親父の言葉があって。親父がたまに言う意見を大事にしてきた」という阿部。一方で「初めてを抱えているときに役者仲間とか、友達との会話の中で、みんな初めては絶対に経験するし、一回しかないと思ったら、『楽しいじゃん』と二十歳の頃にハッとした。この間初めて舞台やったんですけどすごい楽しくて。楽しんでやってます」と考えを明かした。

最後に阿部は「正しい親なんてないと思う。その都度悩んで失敗して、そういうふうに人間は生きていくと思います。とにかく優しさを持って、一生懸命愛情を持って人に接する、それが大事なことだと思います。この映画にはいろんな優しい人間が出てきて、ヤスを励まし合いながら、みんなが親になって優しさをもって育てていきます。時代を超えて、普遍的に感動できる話だと信じています」と本作をアピールした。

【写真・文/編集部】

『とんび』は全国で公開中!
監督:瀬々敬久
出演:阿部寛、北村匠海、杏、安田顕、大島優子、濱田岳、宇梶剛士、尾美としのり、吉岡睦雄、宇野祥平、木竜麻生、田中哲司、豊原功補、嶋田久作、村上淳、麿赤兒、麻生久美子/薬師丸ひろ子
配給:KADOKAWA
©2022『とんび』製作委員会