平庫ワカのコミックをタナダユキ監督が映画化した『マイ・ブロークン・マリコ』の追加キャストが発表された。
同名原作は、2019年にWEBコミック誌「COMIC BRIDGE」で連載され、毎話SNSでトレンド入りし、翌年出版された単行本は即重版が決定するなど反響を呼び、「親友の遺骨を持って旅に出る」という今までにない斬新な物語設定と、みる者に投げかける答えの見つからない問いかけが、多くの読者の心に刺さり一瞬にしてその世界に引き込んだ。映画では、タナダユキ監督の力強さと繊細さを兼ね備えた演出、永野芽郁のこれまでのイメージを大胆に覆す役柄と演技、そして原作の持つ物語の力がひとつになり、人間の儚さと逞しさが、優しく熱をもって描かれる。ともに生き、ともに旅をするシイノとマリコの物語が誕生した。
今回、永野芽郁に続く、追加キャストが発表された。主人公・シイノトモヨの親友・イカガワマリコを演じるのは奈緒。学生時代から父親の虐待を受け、ある日、突然命を絶つマリコについて、タナダ監督は「理不尽が押し寄せ、ついに自分を壊すことでしか生きられなくなっていった」と語る。そんなマリコというヘビーな役を奈緒に託した経緯を「いつも変幻自在に作品の中に存在している俳優が浮かびました。マリコ役を、全信頼を置いて託すことができ、一緒に闘えるであろう人、それが奈緒さんでした」と振り返る。幼馴染のシイノは、マリコの魂を救うために、その遺骨を奪うことを決心する。「刺し違えたってマリコの遺骨はあたしが連れて行く!」。親友を亡くしたシイノの旅路と、共依存とも受け取られかねないふたりの関係が、過去と現在を行き来しながら紡がれていく。
「マリコの喜びも悲しみも苦しみも、奈緒さんが身を持って体現してくれました」とタナダ監督が語るように、全身全霊をかけ奈緒が臨んだマリコがもたらす様々な感情、自身を突き動かすなにかにきっと心揺さぶられるだろう。原作者の平庫ワカも「あまりに胸が痛んだため思わず駆けて行って抱き締めたくなりました」と感じずにはいられなかった奈緒演じるマリコの姿はきっとみる者を捉えてはなさない。シイノ役の永野芽郁と奈緒は、NHK連続テレビ小説『半分、青い。』(2018)に続き、2度目の親友役となる。
シイノが旅先で出会うマキオ役には窪田正孝。タナダ監督が「ちゃんと傷つき、それでも生きてきた人だからこそ言える言葉を、マキオとして確かに紡げる人、それが窪田正孝さんでした」と起用の理由を語る通り、マキオの言葉は何かを変えるかもしれない。マリコの実父役は尾美としのり、その後妻・タムラキョウコ役には吉田羊がキャスティングされた。
奈緒(イカガワマリコ役)コメント
原作を読む手が止まらず読み終わった後は涙が止まりませんでした。
盲目的な2人の友情と愛がどこまでも哀しく優しく、
この作品はきっと誰かの救いになると感じました。
母の様に愛を持って現場を包んでくださるタナダ監督のもと、
永野芽郁さんと「いつかまた一緒に2人でお芝居をしよう」と約束をした、
あの日の夢を叶えることができてとても幸せです。
沢山の方に届きますように。
永野芽郁より
撮影が始まる前から「マイ・ブロークン・マリコ」について沢山話し合っていましたが、
初めてマリコになった奈緒ちゃんを見て感動しました。
マリコが奈緒ちゃんじゃなかったら私はシイノになれなかったと思います。
最高で最強な相棒でした!
窪田正孝(マキオ役)コメント
衝撃的な原作に心打たれました。
脆くても仲睦まじい2人。
簡単に壊れてしまう心と身体。
周りになんて理解されなくたっていい。
どこまでも2人で突き進む強さに
応援してしまう感情が湧き上がってきました。
ぜひ劇場でご覧いただければと思います。
尾美としのり(マリコの実父役)コメント
畜生の役を振ってもらい、二つ返事で引き受けさせていただきました。
自分の撮影日数が短かったのと、コロナ禍での撮影の為、
密にならず会話を避けなければならなかったのが残念でした。
皆さんともっとお芝居したかったです
タナダ監督と話しがしたかったです
永野芽郁さんの新たな一面が観られます!
とても良い気分になれると思います
是非観てください。
吉田羊(マリコ実父の後妻・タムラキョウコ役)コメント
タナダ監督と10年ぶりにご一緒できました。
大切に差し出される、静かで硬質な「カット。」をまた聴くことができ感無量です。
永野さんの"シィちゃん"は、原作の激しさに純粋さと可憐さが加わりなお愛おしく、
奈緒さんの"マリコ"は諦めと背中合わせの渇望が色濃く、より哀しく見えました。
タナダ監督の優しい世界に生きるシィちゃんとマリコの、
愛と友情を超越した魂の結びつきが、この世界の誰かの希望となりますように。
『マイ・ブロークン・マリコ』は2022年秋に全国で公開!
監督:タナダユキ
出演:永野芽郁、奈緒、窪田正孝、尾美としのり、吉田羊
配給:ハピネットファントム・スタジオ、KADOKAWA
©2022映画『マイ・ブロークン・マリコ』製作委員会