チャン・イーモウ監督最新作『ワン・セカンド 永遠の24フレーム』の本編映像が解禁され、併せて辛酸なめ子が印象的な場面を描いたイラストコメントが到着した。
2021年トロント国際映画祭に正式出品され話題となった本作は、監督自身が長年映画化を熱望していた企画で、チャン・イーモウ監督の確かな“映画への愛”が流れる。かつて手掛けた名作『初恋のきた道』や『妻への家路』のようなエモーショナルな人間ドラマであり、全ての“映画”へのオマージュを感じさせる。主人公の逃亡者を演じるのはチャン・イー。そしてチャン・イー演じる逃亡者と出会い奇妙な絆で結ばれていく孤児の少女・リウの娘を、本作がデビュー作となるリウ・ハオツンが演じる。さらに小さな村の映画館を仕切り、人々から尊敬の念を集めるファン電影にはファン・ウェイ。
今回解禁された本編映像は、辛酸なめ子も注目した食堂でのシーン。フィルムに1秒映っているという娘の姿をなんとしても見たい逃亡者の男が、そのフィルム缶を盗んだ孤児の少女を町の食堂(麺屋)まで追いかけてくる。空腹だった男は、少女が注文した麺を奪い取り貪るように食べ、そのすきに逃げようとした少女を力づくで座らせる。無言で悔しそうな目をむける少女。男はお構いなしに同じ食堂にいた映画館のファン電影に「来てくれ、ここにフィルムが」と呼びかけ、フィルム缶を差し出す。
「『英雄子女』の6巻?」とすぐに気づいたファンは、手慣れた様子でフィルムを取りだし「確かにそうだ」と確認。「どこで?」と男に疑惑の目をむける。すると男は逃げようとするが、ファンが「待て」と捕まえ一喝!「座るんだ」と二人に向き合う。フィルム缶からハンカチを用いてフィルム取り出し確かめるしぐさや、その佇まいから、映画館を仕切るファン電影の映写技師としての誇りと責任感が感じられ、フィルムを巡り出会った3人の関係が今後どうなっていくのか、セリフが少ないが引き込まれるワンシーンだ。
本編映像
また、本作をいち早く鑑賞した辛酸なめ子が注目しイラストに描いたシーンは、劇中である理由からフィルム缶を巡り出会うことになったチャン・イー演じる逃亡者の男とリウ・ハオツン演じる孤児の少女が、村の食堂で麺をすする場面。そして、不手際から泥だらけになってしまったフィルムをファン電影の指揮のもと、丁寧に手洗いで洗浄をする場面。麺は「とにかくおいしそう」とし、さらに「泥だらけになったフィルムを洗う場面では箸で丁寧に伸ばす様子が麺のよう」という辛酸なめ子さんは「魂の飢餓感を満たしてくれるのは映画のフィルムなのかもしれません」とイラストで解説している。さらに「娯楽が増えすぎてしまった今、映画を観られる貴重な機会に熱狂する人々が羨ましくなります。泥だらけのフィルムと一緒に、情報まみれの心が洗われました。」というコメントも寄せた。
『ワン・セカンド 永遠の24フレーム』は2022年5月20日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国で公開!
監督・脚本:チャン・イーモウ
出演:チャン・イー、リウ・ハオツン、ファン・ウェイ
配給:ツイン
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