19世紀のフランスで起きた歴史的冤罪事件“ドレフュス事件”を映画化した『オフィサー・アンド・スパイ』の本編映像が解禁された。

1894年、フランス。ユダヤ系の陸軍大尉ドレフュスが、ドイツに軍事機密を流したスパイ容疑で終身刑を宣告される。ところが対敵情報活動を率いるピカール中佐は、ドレフュスの無実を示す衝撃的な証拠を発見。上官に対処を迫るが、国家的なスキャンダルを恐れ、隠蔽をもくろむ上層部に左遷を命じられてしまう。全て失っても尚、ドレフュスの再審を願うピカールは己の信念に従い、作家のゾラらに支援を求める。しかし、行く手には腐敗した権力や反ユダヤ勢力との過酷な闘いが待ち受けていた……。

今回解禁された本編映像は、ルイ・ガレル演じるユダヤ人大尉のドレフュスが、ドイツに軍事機密を流したというスパイ容疑で有罪となり公の場で軍籍を剥奪されるシーン。陸軍大学校の校庭に連行されるドレフュス。大勢の軍人や見物の民衆に囲まれるなか「被告を国家反逆罪で有罪とする」と言い渡され、問答無用で、軍籍を剥奪される。軍服のボタンを引きちぎられ、サーベルも真っ二つに折られながら、直立不動のドレフュス 。「私は無実だ!」と必死で訴えるも、その叫びは、居並ぶ軍の関係者、聴衆の心には届かず、虚しく響くのであった。緊迫感もさることながら、陸軍大学校の広大な校庭に、整然と並ぶ軍人たちの衣装など、当時の状況を見事に再現した冒頭シーンに、観客はいきなり目を釘付けにされる。

1894年、ナショナリズムと反ユダヤ主義が高まる当時のフランス。ドレフュスはいかにして無実と名誉を挽回するのか?その運命は、驚愕の真実にたどり着き、ドレフュスの無実を証明するため国家に立ち向かったひとりの男、ピカール中佐に命運が委ねられている。

ロマン・ポランスキー監督は本作の企画の立ち上げについて「最初は当然のことのように映画をドレフュスの視点で描くのを想定していたのですが、すぐにそれが上手くいかないことに気づきました。パリを起点にして様々な登場人物が行ったり来たりするのに、ドレフュスが監獄島である“悪魔島”に服役しているので動きが生まれません。我々が映画を通して描きたかったのは彼の苦しみです。1年以上の長い時間をかけてこの問題と格闘し、脚本家のロバート・ハリスがこのジレンマに答えを見出しました。ドレフュスから離れて、物語の中心人物の1人であるピカール中佐の視点で語るのはどうか、とね」と振り返る。

これまであまり描かれてこなかったひとりの将校の視点で歴史的大事件の新たなターニングポイントに光をあてる本作。100年以上前の事件が“決して過去の物語ではない”という衝撃と信念と正義を貫く男の姿が、困難な現代に生きる私たちに勇気を与えてくれる。

本編映像

『オフィサー・アンド・スパイ』は2022年6月3日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国で公開!
監督:ロマン・ポランスキー
出演:ジャン・デュジャルダン、ルイ・ガレル、エマニュエル・セニエ、グレゴリー・ガドゥボワ、メルヴィル・プポー、マチュー・アマルリック
配給:ロングライド
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