19世紀のフランスで起きた歴史的冤罪事件“ドレフュス事件”を映画化した『オフィサー・アンド・スパイ』の場面写真が解禁された。

1894年、フランス。ユダヤ系の陸軍大尉ドレフュスが、ドイツに軍事機密を流したスパイ容疑で終身刑を宣告される。ところが対敵情報活動を率いるピカール中佐は、ドレフュスの無実を示す衝撃的な証拠を発見。上官に対処を迫るが、国家的なスキャンダルを恐れ、隠蔽をもくろむ上層部に左遷を命じられてしまう。全て失っても尚、ドレフュスの再審を願うピカールは己の信念に従い、作家のゾラらに支援を求める。しかし、行く手には腐敗した権力や反ユダヤ勢力との過酷な闘いが待ち受けていた……。

歴史的冤罪事件“ドレフュス事件”を題材に、巨大権力と闘った男の不屈の信念と壮絶な逆転劇を描く本作。ハラハラする歴史サスペンスに加えて、本作の見どころの一つは、フランスを代表する俳優たちのクセ強演技合戦だ。主役のピカール中佐を演じるのは『アーティスト』でアカデミー賞主演男優賞など世界中の映画賞を総なめにしたジャン・デュジャルダン。コメディを一切封印した新境地の演技で巨大権力に抗う信念の男を見事に演じきった。一方、無実の罪を着せられたドレフュス大尉を演じるのは、名匠フィリップ・ガレルの子息として幼い頃から活躍、日本のフランス映画ファンにも一目置かれるイケメン俳優ルイ・ガレル。身に覚えのない罪で、悪魔島(『パピヨン』の舞台でも知られる)に幽閉される男の苦難を繊細な演技で表現した。この2人以外にも本作には、フランス映画界を代表する名優たちがずらりと揃い、ドレフュスを守る「ドレフュス派」、ドレフュスを貶める権力の側につく「反ドレフュス派」に分かれ真っ向対立。演技の火花を散らせている。

ドレフュス派には、ドレフュスを救うためたちあがるラボリ弁護士役に『わたしはロランス』『グレース・オブ・ゴッド 告発の時』などで知られ今年のカンヌ国際映画祭コンペ出品作、アルノー・デプレシャン監督『Brother and Sister(英題)』でマリオン・コティヤールと兄妹を演じるメルヴィル・プポー。ドレフュスとの熱き男の友情に注目だ。軍の中で孤立していくピカールを支える友人弁護士ルブロワに、『シラノ・ド・ベルジュラック』などで知られ、『ヒトラーへの285枚の葉書』など監督としても活躍するヴァンサン・ペレーズ。やり手の弁護士としてエミール・ゾラら救おうと奔走する。

反ドレフュス派には、ドレフュス有罪の証拠とされた密書の鑑定人を務めた筆跡鑑定家ベルティヨンに、『007/慰めの報酬』『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』のマチュー・アマルリック。偽の証拠でドレフュスを貶め、ピカールと決闘に挑むアンリ少佐に、今年のカンヌ国際映画祭のオープニング上映を飾る仏リメイク版『キャメラを止めるな!』のメインキャストの一人にも名を連ねるグレゴリー・ガドゥボワ。軍、上層部の将軍に、エルヴェ・ピエール、ディディエ・サンドル、ウラディミール・ヨルダノフらベテラン陣が名を連ね、スキャンダルを恐れ自己保身に走る巨大権力を、貫禄たっぷりに体現した。

『オフィサー・アンド・スパイ』は2022年6月3日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国で公開!
監督:ロマン・ポランスキー
出演:ジャン・デュジャルダン、ルイ・ガレル、エマニュエル・セニエ、グレゴリー・ガドゥボワ、メルヴィル・プポー、マチュー・アマルリック
配給:ロングライド
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