『太陽とボレロ』の東京プレミアが5月23日(月)に丸の内TOEIで行われ、檀れい、石丸幹二、町田啓太、森マリア、水谷豊監督が登壇した。

水谷豊監督作品第3弾『太陽とボレロ』である本作は、“クラシックのオーケストラ”を題材に音楽を愛する普通の人々の人間模様を洒脱なエンターテインメント作品として作り上げる。ある地方都市のアマチュア交響楽団。主宰者である主人公の花村理子は18年間、個性豊かなメンバーとともに活動してきた。みんな音楽を愛する普通の人々。しかし、楽団の経営は苦しく必死に奔走する理子だったが、ついに楽団の歴史に幕を閉じる決断を迫られる。そして、最後にして最高のコンサートがはじまる。

「幸せな気持ちでいっぱいです」と挨拶した檀は、本作の公開が翌週末に控えていることに「嬉しいのと、自分の手元から旅立っていく寂しさと、一人でも多くの方に見ていただきたいですし、複雑な気持ちです」とコメント。コロナ禍によって撮影が1年延期されたこともあり、水谷監督は「奇跡にように感じています」と感慨深げに語った。

そんな水谷監督の現場は「スタッフの隅々まで挨拶して。監督としての水谷さんは“どこからこのアイデアが生まれるの?”、ユーモアのセンスがすごいと、演出を受けるたびに刺激とドキドキとワクワクと、いろんな感情が入り混じって」と振り返った檀。石丸も「太陽みたいな方。水谷さんワールドなんです、この映画は。一緒にいるスタッフ、俳優、参加してくださるエキストラの方の心を緩ませてくれる」と現場での佇まいを振り返った。

町田も「演出を考えて言いに来られるときに、含み笑いを浮かべながら近づいて来られるんです。それに対して僕もまだ聞いていないのに笑っている(笑)毎回刺激的で、こんな時間をずっと過ごせたらいいなと思うくらい夢のような時間でした」と水谷監督の撮影現場を振り返り、映画初出演の森は「実際に芝居を見せてくれるんです。イメージを共有してくださるのは助かりました」と俳優でもある水谷監督ならではの演出を明かした。絶賛の言葉を受けて、水谷監督は「みなさんがやってるのを見ていて楽しんでいたという印象が強かったです」と謙遜していた。

劇中では吹替なしの演奏を披露していた町田と森だが、町田は「実際に舞台で演奏させてもらうんです。楽屋で待機してるんですけど、ずっとみんな練習していました。それが交響楽団と言いますか、みんなでやろうという感じが出ていた。その時間が印象的でした」と明かし、森も「共通言語として音楽というものがあったので一体感がありました」とチームワークの良さをうかがわせた。

一方で、劇中で楽器の演奏シーンがない檀は「触ったことのない楽器を触る方もいらして。そのうえで役を演じながら演奏するということはなんて大変なことをしているんだろうと。(自身が演じた)花村理子としてもですし、檀れいとしても、うちの弥生交響楽団はほんとうにすごいんだぞと叫びたいくらいかっこよかったです」と称賛した。

劇中の交響楽団メンバーが“ずっと音楽への愛がある”ことにちなんで、ずっと好きなことを聞かれた檀は「表現すること、エンターテインメントの世界でお仕事することは何よりも好きなこと。それを続けるのはどんなに大変でも苦しくても、それ以上に好きと言う気持ちがあるの」と語り、石丸は「気が付くといつも音に包まれていた。音の中に身を置くのが幸せ」と笑顔を見せた。町田は「いろんな方のいろんな感性に触れていくのが大好きで。出会いも楽しいですし、今回であればどういう形で演じられるのかなとか。(観客の)みなさんがどう思ってくれて、どういう感情になるのか、知れたり触れたりするのが好き」と語った。また、森は「私は漫画が大好きです。小学生から今まで漫画を読んでいて、漫画を読むことでワクワクする勘定を思い出したりするので、やめられないです」と明かした。

最後に檀は「ユーモアあふれる作品なので、存分に楽しんでいただければと思います。見終わった後、きっとみなさんの心を幸せにしてくれると思います」、水谷監督は「2018年に僕にとって3本目の映画を考えようとなった時にクラシックの世界はどうだろうと舞い降りてきたんです。今回はユーモアを交えた作品を作りたいと思ったのでアマチュア交響楽団はどうだろうと考えたのが『太陽とボレロ』です。いい映画って人それぞれだと思うんです。いい映画を見たら一日幸せに過ごせますし、何十年も経って思い出して浸って、懐かしんでみたりすることができます。『太陽とボレロ』がご覧になったどなたかにとっていい映画になってくれたら、我々はこんなにうれしいことはありません」とメッセージを送った。

【写真・文/編集部】

『太陽とボレロ』は2022年6月3日(金)より全国で公開!
監督・脚本:水谷豊
出演:檀れい、石丸幹二、町田啓太、森マリア
田口浩正、永岡佑、梅舟惟永、田中要次、木越明、高瀬哲朗、藤吉久美子
六平直政、山中崇史、檀ふみ、河相我聞、原田龍二
水谷豊
配給:東映
©2022「太陽とボレロ」製作委員会