19世紀のフランスで起きた歴史的冤罪事件“ドレフュス事件”を映画化した『オフィサー・アンド・スパイ』の本編映像が解禁され、併せて各界の著名人からのコメントが到着した。
1894年、フランス。ユダヤ系の陸軍大尉ドレフュスが、ドイツに軍事機密を流したスパイ容疑で終身刑を宣告される。ところが対敵情報活動を率いるピカール中佐は、ドレフュスの無実を示す衝撃的な証拠を発見。上官に対処を迫るが、国家的なスキャンダルを恐れ、隠蔽をもくろむ上層部に左遷を命じられてしまう。全て失っても尚、ドレフュスの再審を願うピカールは己の信念に従い、作家のゾラらに支援を求める。しかし、行く手には腐敗した権力や反ユダヤ勢力との過酷な闘いが待ち受けていた……。
今回解禁された本編映像は、ドレフュス事件の冤罪と軍部の腐敗を公開状で新聞に掲載し、名誉毀損で訴えられたエミール・ゾラ。彼の証人として主人公ピカールが法廷に立つシーン。ドレフュスの有罪を画策したアンリ少尉(グレゴリー・ガドゥボワ)が、ピカールの真横で「中佐は嘘つきだ」と指をさし糾弾、法廷内は騒然とする。この、かつての部下の侮辱に対し、ピカールは眉ひとつ動かさず、冷静に反撃に出る。軍上層部の将軍たちの名前を挙げ、その隠蔽と捏造を堂々と暴き、壇上からの制止をものともせず、「25年過ごした愛する軍を追われても、真実と正義を追求しようとした。」と語る。その毅然とした勇姿に法廷内からは拍手が湧き起こる。真実と正義のためならどんな圧力にも屈しない男ピカールの生き様が垣間見れるシーンとなっている。
本編映像
久米宏(フリーアナウンサー)
波瀾万丈の人生の終焉近くに
ロマン・ポランスキー氏は この歴史的冤罪事件にたどり着いた
さすがフランスでの大ヒット 俳優良し 衣装も素晴らしい
黒沢清(映画監督)
まわりはみんな敵ばかり。国家権力の闇がいたるところにはびこる。こちらの手にあるのは、つぎはぎだらけの紙きれ一枚だけだ。どうやって戦う?そして、戦った先に何がある?ポリティカル・スリラーとはこうでなければならない。感服した。
橋本五郎(読売新聞特別編集委員)
歴史は繰り返す。組織的隠蔽、命令への盲従、文書の改竄、組織の名誉を守るという大義……。それが冤罪を生む。しかし、希望を捨ててはならない。人間には良心と勇気があるのだ。
町山智浩(映画評論家)
ベル・エポックの絵画を再現した映像美に隠されたポランスキーの静かな怒り。フランスにはナチよりも前から反ユダヤ主義があり、レイシズムは今また大きなうねりとなり、大統領選で極右ルペンを躍進させている。これは過去のことでもフランスだけのことでもない。
『オフィサー・アンド・スパイ』は2022年6月3日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国で公開!
監督:ロマン・ポランスキー
出演:ジャン・デュジャルダン、ルイ・ガレル、エマニュエル・セニエ、グレゴリー・ガドゥボワ、メルヴィル・プポー、マチュー・アマルリック
配給:ロングライド
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