『はい、泳げません』の公開直前イベントが5月25日(水)に都内で行われ、長谷川博己、綾瀬はるか、渡辺謙作監督が登壇した。
泳げない男と泳ぐことしかできない女の、希望と再生の物語である本作。原作はノンフィクション作家・髙橋秀実による同名エッセー。映画『舟を編む』で第37回日本アカデミー賞最優秀脚本賞を受賞した映画監督の渡辺謙作が、物語として大胆にアレンジを加えて脚本化、監督もつとめた。主演は長谷川博己。水に顔をつけることもできないほどのカナヅチなのに、頭でっかちな言い訳ばかりするカタブツな哲学者・小鳥遊雄司を演じる。そんな主人公に水泳を教えるコーチ・薄原静香を演じるのは、綾瀬はるか。泳ぎを教えることに情熱をかける一方で泳ぎ以外は不器用な変わりモノのコーチを、輝くような表情で見事に演じている。
『八重の桜』(2013)以来の共演となる2人だが、映画では初共演。長谷川は「頼れる共演者です。すっと入っていけた感じがして、違和感なくやらせていただけました。楽しかった」と撮影を振り返り、綾瀬も「台本を読んだ時に、長谷川さんがピッタリだなと思ったので、楽しくやりました」と笑顔を見せた。休憩時には「とにかくわちゃわちゃしていました」と明かす渡辺監督。綾瀬は「お昼何食べるかとか(笑)」と和やかなムードで進んだという。
プールが舞台の本作では「なるべく沈んでなきゃいけない」という長谷川は「その状態でやらなきゃいけないので苦しくて」と水中ならではの難しさもあったという。また「泳ぐのが好きでしたから、どうしたら泳げない人の役を演じられるかが悩ましいところで。綾瀬さんのコーチが現場についていたんですけど、コーチが教えているのはきれいな泳ぎで、それと全く逆のことをしよう」と参考にしたという。
綾瀬も「9割ぐらいプールでの撮影なので、スタッフさん全員水着で水中でやってたので、部活みたいな感じがしました。部活の延長で映画が出来上がる感じがして楽しかったです」と撮影現場の様子を明かした。長谷川とは対照的に「学生以来水泳をやっていなかった」という綾瀬は「いかにプロっぽくという訓練をした」と明かした。
そんな綾瀬演じる水泳の先生について、「彼女の持っている無邪気さ、天使的な雰囲気とマッチしていて完璧でした」と称賛する長谷川。一方で綾瀬は先生側から見て「理屈っぽい。張り合いがあって、教えがいがあった」とコメント。
作品にちなんで“できないこと”を発表。「服が捨てられない」と言う長谷川は「断捨離しなきゃ」と言いつつも、「いつか衣装で使うかも」と考えてしまい捨てられないというが、実際に衣装として使うこともあるといい、「私もその(捨てられない)タイプで」という綾瀬は「取っておいていいと思う」とアドバイス。「(虫に)触れません」という綾瀬はカマキリに触れないといい、「結構触れる」という長谷川は「逆療法で。挟まれてみる」とアドバイスし、会場は笑いに包まれた。
最後に綾瀬は「あまり見たことがない作品。見終わった後からじわっと思い出すような映画だと思います」、長谷川は「生きることに対して前向きになれる、生きることへの賛歌のような雰囲気の素敵な作品です。ファンタジーちっくなところもあって楽しめました。大画面で見ていただきたいです。プールの中の世界が美しく体感できるのが映画館のほうが100倍だと感じました」と本作をアピールした。
【写真・文/編集部】
『はい、泳げません』は2022年6月10日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国で公開!
監督・脚本:渡辺謙作
出演:長谷川博己/綾瀬はるか、伊佐山ひろ子、広岡由里子、占部房子、上原奈美/小林薫、阿部純子/麻生久美子
配給:東京テアトル、リトルモア
©2022「はい、泳げません」製作委員会