『メタモルフォーゼの縁側』のヒット祈願イベントが6月8日(水)にTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、芦田愛菜、宮本信子、高橋恭平(なにわ男子)、生田智子、光石研、狩山俊輔監督が登壇した。

2017年に連載が始まって以降、じわじわと話題を呼び「このマンガがすごい!」「文化庁メディア芸術祭 マンガ部門」など数々の漫画賞を受賞した鶴谷香央理の漫画「メタモルフォーゼの縁側」を実写映画化した本作。主人公・佐山うららは、周囲に馴染めずひとりこっそりとBL漫画を読むことを毎日の楽しみにしている17歳の女子高生。もうひとりの主人公・市野井雪は、夫に先立たれ孤独に暮らす75歳の老婦人。雪がキレイな表紙に惹かれて買った漫画がBLだったことをきっかけに出会ったふたりが、一緒に漫画を読んで、一緒に笑って、一緒に泣いて、時には激論を交わし、BLで繋がった2人が育む年の差58歳の友情と挑戦が描かれる。うららを芦田愛菜、雪を宮本信子が演じる。

演じる上では「こういう時はどういう顔をしているんだろうとか、原作にあって脚本にない部分を読んで、“うらら像”をつかんでいました」と役作りを語る芦田。高橋は「さりげないイケメンなので、さりげないイケメンを研究してがんばっていました。“イケメン出す”じゃなくて、“出ちゃいます”みたいな、そういう意識でやっていました」と振り返った。自身の母親の私物の使用を提案したという宮本は「キャラクターが被るんです。一つのものを長い間大切に使っていたということをしたくて」と、母親と自身が演じた雪を重ね合わせた。

本作で『阪急電車 片道15分の奇跡』以来、約10年ぶりの共演となった芦田と宮本だが、宮本は「もう愛菜ちゃんとは言えないんです、愛菜さんです」と称賛すると、芦田は「全然です!」と恐縮しきりだった。また、劇中では「学ラン姿が中学生以来」という高橋は“着こなしのポイント”を聞かれると「着ちゃえばカッコいいなと」と話し笑いを誘う場面も。

タイトルにちなんで“メタモルフォーゼ<変身>したいもの”を聞かれると「猫になりたい」という芦田は「何が楽しいかなとか」と気になっていることを明かし、宮本は「『スター・ウォーズ』のヨーダです。ヨーダが大好きで。世の中が平和になるようになるようにヨーダの力を借りて」と笑顔で語った。

一方で「鏡が好きなので鏡になりたい」という高橋は「子供の頃、鏡を見てると鏡に入れるんじゃないかと。もう一つの世界があるんじゃないかと思っていました」と語った。また、生田は「ガールズK-POPアイドル。かわいくセクシーに踊ってみたいです。うちにもJKがおりますから昨晩も習ったのですが、今っぽく踊りたいんです」と願望を語った。光石は「ミュージシャンになりたかった。歌って踊れる。楽器とダンスと歌がものすごくコンプレックス」と言うと、隣に並ぶなにわ男子の高橋に「(なにわ男子に)入ってもいいんだよ」と話しかけると高橋は「ぜひ、一緒にやりましょう」と答え、笑いを誘った。

作品の内容にちなんで“叶えたい夢”を聞かると、「みんなが遊びに来てくれるお家にしたい」という芦田は「寂しがり屋なので、一人暮らしはしたいけどみんなが来てくれるお家にしたい」と語ると「こたつにみんなで入ってテレビの前でゴロゴロしたらいいなと」と想像を膨らませた。「車の免許を取りたい」という高橋は、免許を取ったら「とりあえず家の周りを一生は知っておきたい。慣れるまでずっと」と語った。

最後に芦田は「“縁側”は中と外をつなぐものだと思って、映画で縁側の窓を開けて風を感じるシーンがあるんですけど、居心地のいい中とちょっと居心地が悪い外を縁側がつないでくれて、うららに新しい風が吹いてきたような感じがして。見ていただいたみなさんにも、うららみたいに縁側みたいな出会いだったり、新しい風が自分にも吹くんじゃないかと前向きな気持ちになってくれたら嬉しいです」とメッセージを送った。

【写真・文/編集部】

『メタモルフォーゼの縁側』は2022年6月17日(金)より全国で公開!
監督:狩山俊輔
出演:芦田愛菜、宮本信子、高橋恭平(なにわ男子)、古川琴音、生田智子、光石研、汐谷友希、伊東妙子、菊池和澄、大岡周太朗
配給:日活
©2022「メタモルフォーゼの縁側」製作委員会