ティモシー・スポール主演映画『君を想い、バスに乗る』の特別映像が解禁された。

本作は数々の映画祭での受賞・ノミネート歴を誇る名監督として評価されるギリーズ・マッキノン監督の最新作。最愛の妻を亡くした90歳のトム・ハーパーが50年暮らした家を離れ、壮大な旅に出る物語で、脚本を手掛けたジョー・エインズワースが、彼の父と義父の「高齢者向けの無料バス乗車券を使ってどこに旅をするか」という会話から着想を得て、物語が完成した。2021年にイギリスで公開され、英インディー映画界にて『ファーザー』『スーパーノヴァ』に続く第3位の興行収入を記録。特殊メイクなしで実年齢より30歳近く年老いた主人公・トムを演じたティモシー・スポールは、同年イタリアで開催されたバーリ国際映画祭にて最優秀主演男優賞を受賞。トムの最愛の妻メアリーを演じたのは大人気テレビシリーズ『ダウントン・アビー』でミセス・ヒューズ役を演じたフィリス・ローガン。本作で主人公・トムが目指すのはイギリス旅行者憧れの聖地“ランズエンド”。道中で出会う雄大な景色とイギリスを代表する実力派俳優が紡ぐ愛の形に期待が高まる。

今回解禁された特別映像では、スタッフ・キャストが本作の制作秘話を語っている。脚本を務めたジョー・エインズワースは、物語を思いついたのは父と義父の「バスの高齢者向け無料パスでどこへ出かけるか」という会話が本作誕生のきっかけだったと明かした。このとき“年老いた男のバスの旅”とメモを残し、数週間後にそのメモを見つけて物語を膨らませていったと当時を振り返る。

メアリー役を演じたフィリス・ローガンは、ジョーが書いたこの脚本について「本当にすばらしい。2人の年老いた夫婦の描写がすごく美しい」と絶賛。そして、思いやりが何より大事だと言われる今の世の中において、「他者に優しくするのは意地悪するよりずっと簡単、だから人を思いやるべきだと思う」と、この映画の物語が人間の優しさについて描かれていることに触れ、どうしても忘れられがちな”大切なこと”をこの映画で思い出してもらいたいというメッセージを本作に込めた。

一方、主人公トムを演じたティモシー・スポールは、“高潔な逃避”が本作のテーマだと語る。若い頃に逃げ出した場所へ、人生の晩年で再び戻り、自らが経験した悲劇に向き合うことでその逃避を取り消そうとする主人公トムに「目をそらし続けていた過去を受け入れるのは勇気がいることだ」と思いを馳せた。フィリス・ローガンは、本作のテーマ「年をとること・愛・喪失」は全世界に共通するものだと語り、すべての人々にとって共感できるストーリーだと太鼓判を押し、「スコットランド人として出演できて光栄だ」と締めくくっている。

特別映像

『君を想い、バスに乗る』は全国で順次公開中!
監督:ギリーズ・マッキノン
出演:ティモシー・スポール、フィリス・ローガン
配給:HIGH BROW CINEMA
© Last Bus Ltd 2021