本屋大賞受賞の傑作ベストセラー小説を映画化した『流浪の月』のメイキング写真5点が解禁された。

実力と人気を兼ね備えた俳優・広瀬すずと松坂桃李の2人が紡ぐ物語は、2020年本屋大賞を受賞し、同年の年間ベストセラー1位(日販単行本フィクション部門、トーハン単行本文芸書部門)に輝いた凪良ゆうによる傑作小説が原作。10歳のときに誘拐事件の“被害女児”となり、広く世間に名前を知られることになった女性・家内更紗を広瀬が、その事件の“加害者”とされた当時19歳の青年・佐伯文を松坂が演じる。いつまでも消えない“被害女児”と“加害者”という烙印を背負い、息を潜めるように生きてきた2人。誰にも打ち明けられない秘密をそれぞれに抱えたまま、15年後に再会した2人が選んだ道とは―。監督を務めるのは李相日。

今回、水の中にいるような深い青が印象的な未公開場面写真とシーンにまつわるエピソードが解禁された。2020年本屋大賞を受賞した原作「流浪の月」に寄せられた多数の映画化オファーの中から選ばれ、この重責を担った李相日。「原作をただなぞるのではなく李監督の“流浪の月”を作ってほしい」という凪良の激励を受け、李は自身の映画版『流浪の月』のなかで、いくつか原作からの設定の改変を施した。もっとも大きな変更点のひとつは、2カ月を一緒に過ごした幼い更紗と大学生の文が“被害女児”と“誘拐犯”として警察に引き離されてしまうシーン。原作では動物園がその舞台となっているが、映画では、とある湖が舞台となった。

李はこの変更について「2人が引き離される時に目にした風景は、2人が再会するまで15年間も思い続ける景色ですから、とても大事なものでなければなりません。ですから実際映像になった時に、2人を繋ぐ“装置”として、もう一歩何かが必要だと感じました。それが今回は“水”でした」と意図を振り返る。「文がいる場所のそばにはいつも水があり、水の中は2人が安心できる場所というイメージで、物語に水を介在させています」。それゆえ、再会した更紗と文の“居場所”である川沿いのカフェcalicoの内装も壁がブルーグレー、奥にある格子窓のステンドグラスがブルー、そして電飾にもブルーが配置され、まるで湖の中にいるような優しい青い光が2人を包み込むように設計されている。

この“水”というキーワードは、俳優たちが演じるキャラクターの視覚的なイメージにも活かされた。「例えるなら、更紗と文は水なんです」と李。「そして亮は火、谷は土のイメージです。熱を発する亮の周囲には意識的に赤を配置しています。ソファや壁の絵など。一方、育みたい願望を持つ土の谷の衣装はベージュや茶系で統一しました」

また、先に開催された全州国際映画祭での評判、日本国内での盛り上がりを受けて、本作の撮影監督であるホン・ギョンピョ(『パラサイト 半地下の家族』『バーニング 劇場版』)の母国・韓国で今秋からの劇場公開が決定した。

さらに角界の著名人からの新たなコメントが到着した。

橋本環奈(女優)

穏やかにそして流れる様に進んでいく物語が紡ぐのは善悪を曖昧にしてゆくそれぞれが相容れない愛。
美しくて苦しくてあまたの混乱を招く。
それでも最後に儚げながらも未来への希望が残る。
流浪の先に2人を待ち受けている人生に想いを馳せる。

八木勇征(FANTASTICS from EXILE TRIBE)(アーティスト・俳優)

ずっっっと行きたかった凪良先生原作の“流浪の月”観てきました!
ちょっと言葉では言い表せないです。
本当に素敵でした😭

弘兼憲史(漫画家)

とにかく素晴らしい作品。今年の映画賞は総なめの予感。

吉田大八(映画監督)

画面の隅々から俳優の表情筋に至るまでただならぬ力が漲(みなぎ)り、観るものに対決を迫る。
受けて立つかどうか、いま試されている。

『流浪の月』は2022年5月13日(金)より全国で公開!
脚本・監督:李相日
出演:広瀬すず、松坂桃李/横浜流星、多部未華子/趣里、三浦貴大、白鳥玉季、増田光桜、内田也哉子/柄本明
配給:ギャガ
©2022「流浪の月」製作委員会