松本優作監督がオリジナル脚本で挑む商業映画デビュー作『ぜんぶ、ボクのせい』の場面写真が解禁された。
自主制作映画『Noise ノイズ』で世界中の映画祭を席巻した駿才・松本優作監督最新作。本作では日本の社会のリアルを見つめながら、孤独を抱えた3人の絆、そして1人の少年の成長を鮮烈に描き切る。主演を務めるのは、オーディションで選ばれた新人の白鳥晴都。瀬々敬久監督映画『とんび』で、スクリーンデビューを果たし、本作でも堂々とした瑞々しさ溢れる演技で存在感を発揮。ヒロインを演じる川島鈴遥はオダギリジョー監督『ある船頭の話』ヒロインに抜擢され、高崎映画祭最優秀新人女優賞を受賞した。若手2人を支えるのはオダギリジョー。本作では主人公が海辺で出会う軽トラで暮らすホームレスの役を自由自在に演じ切る。
母親に捨てられ、愛を見失った少年・優太を演じるのはオーディションで抜擢された白鳥晴都。今回解禁された写真では大人2人に行く手を遮られ、必死に何かを訴えている姿が収められている。あわせて解禁された詩織役の川島鈴遥の切迫した表情には息を飲む。優太と詩織に一体何が起きたのか―。本作のラストシーンを優太の顔のアップで終わりたいと思っていた松本監督はオーディションの際、まだ幼さの残る顔の中に、深い絶望も経験しているように感じさせる白鳥の“目”にドキっとし、この子しかいないと決めたそうだ。また、川島についても「演技も表情も素晴らしい。演技の基礎がしっかりできているので、初めて主演をする白鳥くんとのバランスも良かったと思います」と松本監督は2人を起用した理由を語る。
若手を支えるのは日本映画界を牽引する俳優たち。テレビドラマや映画で個性的なキャラクターを変幻自在に演じる松本まりかが本作では自堕落な生活を送る優太の母親・梨花として出演。児童養護施設から抜け出した息子と再会した梨花は成長した我が子の姿に驚きと喜びを見せ、久々の親子水入らずの時間を過ごすことに。2人で買い物に出かけたときに梨花は「優太へのプレゼント」と言いながらミサンガを優太の腕に結ぶ。夢にまで見た母との時間に優太は今まで見せてこなかった子供の表情をしている。だが、梨花は男と暮らしていたため、優太が煩わしくなり児童養護施設の職員に優太を引き取りに来るように電話するのだ。松本まりかの“母親”の表情と“女”の表情の使い分けに観客は釘付けになること間違いなし。初主演した『街の上で』やNHK連続テレビ小説「おちょやん」などで近年その演技力を存分に発揮している若葉竜也も、本作では梨花から金をもらい、男女の関係のダメっぷりを見事に演じている。
母親から追い出され、途方もなく彷徨う優太はその後、オダギリジョー演じる坂本と出会う。今回解禁になる画像の中には軽トラで暮らす坂本と優太が、廃品回収で得たお金で買ったカップラーメンを食べながら、お互いのことについて語り合う姿が映し出されている。その姿はまるで一風変わった親子のようにも見える。“おっちゃん”の名前を聞き出す優太に対して、坂本は「俺、ジョニーだよ」と冗談まじりに答えるが、優太は純粋な心で「珍しい!」と受け止めてしまう。そんな簡単に人を信じてしまう優太を坂本はからかう。信用していい大人なのか、掴みどころのないキャラクターを自由自在に演じるオダギリからは目が離せない。
『ぜんぶ、ボクのせい』は2022年8月11日(木・祝)より新宿武蔵野館ほか全国で順次公開!
監督・脚本:松本優作
出演:白鳥晴都、川島鈴遥、松本まりか、若葉竜也、仲野太賀、片岡礼子、木竜麻生、駿河太郎/オダギリジョー
配給:ビターズ・エンド
© 2022『ぜんぶ、ボクのせい』製作委員会