『神は見返りを求める』初日舞台挨拶にムロツヨシ・岸井ゆきの・吉田恵輔監督が登壇

『神は見返りを求める』の初日舞台挨拶が6月24日（金）にTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、ムロツヨシ、岸井ゆきの、吉田恵輔監督が登壇した。

『ヒメアノ～ル』『空白』と人間ドラマからコメディ、バイオレンスまで作品ごとに観客の心をざわつかせてきた吉田恵輔監督が最新作に選んだ題材はYouTuber。加速する時代で、“YouTuber”という職業を通して、今という時代を象徴的かつポップに描く一方、“欲”や“本音と建て前”、“嫉妬”といった人が誰しも持つ醜さや葛藤をも鮮烈に描く。主人公でイベント会社に勤める田母神（尚樹）は、合コンでYouTuber・ゆりちゃん（川合優里）に出会う。田母神は、再生回数に悩む彼女を不憫に思い、まるで「神」かの様に見返りを求めず、ゆりちゃんのYouTubeチャンネルを手伝うようになる。2人は人気がでないながらも、力を合わせて前向きに頑張り、お互い良きパートナーになっていくが…あることをきっかけに、2人の関係が豹変する―。

舞台挨拶の冒頭では、これから作品を鑑賞する観客を前に「いろんな方がムロツヨシの代表作って（言っている）」とSNSでの反響をアピールしたムロ。そんな本作の撮影では「“シズカツヨシ”で現場の輪から外れて過ごされていた。（私は）楽しかったですね」と笑いながら振り返った岸井。ムロは「（役柄上）フザケツヨシいらないなと。空き時間が辛かった」と明かし「この次（に撮影）の映画が『マイ・ダディ』だったんです。次の（『マイ・ダディ』）は立場が違ったので。今回みたいなものはない」と作品の内容に合わせて現場での居方を変えていたという。

その完成した映画については、自分を他人として見ることができたようで「こんな風に見たことはない」とコメントしたムロ。脚本を担当した吉田監督には「すごいよね、頭の中」と称賛した。その吉田監督は「僕は愛を描きたいと思って映画を作っているつもりなんだけど、だいたい激重とか性格悪いとか、そういうことばかり書かれる。愛を描いてるつもりなんだけどなと」と笑った。

タイトルにちなんで，“見返りを求めるタイプ？”という質問に「“ありがとう”と言ってくれないと、“ん？”ってなるかもしれない」という岸井だが「それが見返りなのかなと思うことがある」とコメント。ムロも「ノーリアクションがつらい。求めちゃうよね～求めるでしょ？」と共感している様子だった。

舞台挨拶の終盤では、一般社団法人日本記念日協会によって、6月24日が“ムロツヨシの日”に認定されたことが発表され、認定証がムロに授与された。自身のSNSで“ムロツヨシの日”と投稿していた内容が実現し、思わぬサプライズに「すごいプレゼントだ！」と大興奮のムロは「これ、喜ぶよ！」と満面の笑みを浮かべた。

最後に岸井は「楽しく見ていたら自分の心に何か向けられるような、突き刺さるような出来事がいろいろ起こって、人ごとじゃない出来事が起こっている映画です。いろんなことを想える映画だし、年代も性別も問わずにいろんなことを感じられる映画です。私たちは本当におもしろい映画を作ったと思っています」、ムロは「自信をもってお見せできる映画です。吉田監督が作った世界が絶妙にマッチして、この時代に見るからこそのメッセージだったり受け取り方があると思います。どこか希望が残る映画です。心に爪痕なのか、傷のか、ほっこりなのか…ほっこりはないかな（笑）どこかでほっこりできるかもしれないです」とメッセージを送った。

【写真・文／編集部】