直木賞作家・島本理生の傑作恋愛小説を映画化した『よだかの片想い』の予告編とポスタービジュアルが解禁された。
物語の主人公は、理系女子大生の前田アイコ(松井玲奈)。彼女の顔の左側にはアザがある。幼い頃、そのアザをからかわれたことがあり、恋や遊びには消極的になっていた。しかし、「顔にアザや怪我を負った人」のルポルタージュ本の取材を受けて話題となってから、状況は一変。本の映画化の話が進み、友人の編集者・まりえの紹介で、監督の飛坂逢太と出会う。初めは映画化を断っていたアイコだったが、話をするうちに彼の人柄に惹かれていく。飛坂への片想いを自覚し、不器用に距離を縮めていくアイコ。しかし、飛坂の元恋人の存在、そして飛坂は映画化の実現のために自分に近づいたという疑心暗鬼が、アイコの「恋」と「人生」を大きく変えていくことになる…。監督を務めるのは安川有果。
今回解禁された予告映像では、アイコの飛坂への切ない距離感を感じるラブストーリーとして見せるのみならず、彼女が自分の人生を生きていくことそのものと向き合い、悩み、考え、前に進んでいく様が繊細に描かれている。主題歌を担当したのは、音楽家の角銅真実。
本作は、アイコの姿は、誰もが抱える弱さと響き合い、その弱さを新しい視点で見直し、アイコと共に一歩前へ踏み出す力を与えてくれるはずだ。ルッキズムへの批判や多様性の尊重が広まり、見た目や個性への関心がかつてない程高まっている今という時代に、世代や性別を超えて幅広く、静かに、でも確かに、心に響く傑作が誕生した。
予告映像
角銅真実 主題歌決定コメント
自分や他者に向き合うことであったり、一つの決断や答えに辿り着いた後に見えはじめる景色というのがあると思います。
ラストシーンのアイコの眼差しがとても印象的でした。
はっきりと輪郭を持ち光を湛えるその瞳の内側と視線の先に向けて、手を振るように言葉と音とを連ねました。
安川有果(監督)主題歌決定コメント
角銅さんに主題歌をご担当いただけたらどんなに素敵だろうと思っていたので、ご快諾いただけて本当に嬉しかったです。
角銅さんは、歌詞やメロディが思い浮かぶたびにその断片を送ってくださり、大好きなアーティストさんの曲が形になってゆく過程を垣間見れて夢のような時間でした。
完成した曲は、多彩な感情が喚起される素晴らしい曲で、主人公の未来にまで思いを馳せたくなるような、広がりと余韻を感じました。
儚さと強さを併せ持つ角銅さんの歌声と同じく、「誰にも消せない花」という儚い花のイメージを覆す力強いフレーズに、何度も勇気づけられています。
多くの方に届きますように。
『よだかの片想い』は2022年9月16日(金)より新宿武蔵野館ほか全国で公開!
監督:安川有果
出演:松井玲奈、中島歩、藤井美菜、織田梨沙、青木柚、手島実優、池田良、中澤梓佐、三宅弘城
配給:ラビットハウス
©島本理生/集英社 ©2022『わたし達はおとな』製作委員会