『ビリーバーズ』公開記念舞台挨拶にキャスト・監督が登壇

『ビリーバーズ』の公開記念舞台挨拶が7月9日（土）にテアトル新宿で行われ、磯村勇斗、北村優衣、宇野祥平、城定秀夫監督が登壇した。

常に先鋭的な作品を世に問い続ける漫画家・山本直樹が「カルト」の世界に切り込み、人間の欲望をあぶり出した問題作『ビリーバーズ』を実写化した本作。過激な内容ゆえ実現不可能とも言われた本作の映像化に挑んだのは城定秀夫。監督自身が映画化を熱望し、長年ファンである山本直樹の世界観へ最大限のリスペクトを込めながらも、絡みつくような官能美に、乾いたユーモアとヴァイオレンスを交え、唯一無二の映像世界を作り上げた。主人公・オペレーターには磯村勇斗、副議長役に北村優衣、議長役には宇野祥平。監督は城定秀夫。

本作が初主演となる磯村。舞台に立った感想を問われると「ちょうど1年前に撮影していたものが形になってようやく公開できて嬉しい」と喜びを見せた。本作について「初主演映画が『ビリーバーズ』でよかった」と話し「俳優人生において、原点に戻るときに『ビリーバーズ』の現場を思い出したり、宇野さんの顔を思い出したりして、また頑張ろうと思うのかな」と語り、宇野と笑い合い、仲の良い雰囲気を醸し出した。

撮影の現場で大切にしていたことを問われると、磯村は「原作に近い島での撮影はなかなか無いので、環境を取り入れながらお芝居をしようと思った」と答え、磯村は現場で優しく気遣いがすごいと評判だったようだが、北村は「気遣いを気遣いと思わせない、磯村さんの人間性が現場で現れているのかなと思いました」と褒めちぎった。

“忘れられない夢は？”というお題が出されると、北村は「現場に遅れる夢をみる」と答え「いつかこれが現実になるんじゃないかとヒヤヒヤしています」と告白。宇野は「トイレの夢をみて、“あ、これはやばい“って起きることはありますよ」と話すと、北村から小声で「おじいちゃんだ…」と言葉が漏れ、宇野は少ししょんぼりとした様子を見せた。

本作にちなんで、捨てられない欲についてお題が振られると、北村は「食欲」と答え「撮影が終わって最初に食べたものが餃子とビールでした！」と明かすと、磯村は「餃子とビールか…」と何か言いたげな様子を見せるも、横から宇野がすかさず「おじさんだね！」と勝ち誇った姿でツッコミを入れ、笑いを誘った。

最後に磯村は「監督をはじめ、みなさんと一緒に愛を込めて作った映画です。たくさんの人に観ていただけることを楽しみにしています」とアピールして舞台挨拶は幕を閉じた。

【写真・文／蔭山勝也】