SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2022の国内コンペティション長編部門上映作品『ファルハ』の舞台挨拶が7月17日(日)にSKIPシティ(埼玉県川口市)で行われ、ダリン・J・サラム監督が登壇した。

SKIPシティ国際Dシネマ映画祭は、“若手映像クリエイターの登竜門”として、映画界の未来を担う新たな才能の発掘を目的に2004年より毎年開催されてきた。第19回となる今回は、2019年以来となるスクリーン上映が行われるほか、昨年と一昨年に引き続き、オンライン配信も合わせて行われる。会期はスクリーン上映が7月16日(土)~24日(日)、オンライン配信が7月21日(木)~27日(水)に開催される。

「私の映画が日本で観客の前で上映されるのが初めてのことなので、みなさんから質問を受けるのを楽しみにしています」と挨拶したダリン・J・サラム監督。作品を見終えた観客からは、実話を基にした本作に衝撃を受けている様子もあり、“どこまでが事実なのか”という質問も寄せられた。これに「実際にあった話を集めて作りました」と応えた監督だが、自身の母親が聞いたという実体験を子供時代に聞いたことから「このストーリーが私について回って離れなかった。作らなければと思った映画しか作れないので、題材が私にやってきた」と振り返った。

配信作品が多く作られている中で、本作が映画祭という場で上映されることには「私は映画が好きで映画館も好きです。実は配信作品の脚本も書いていますが、『ファルハ』は映画として届けたいと決めていました。年末には配信が行われて見られるようになると思いますが、私は映画祭を通して、観客がいるところで反応を得ることががこの映画の大事な通過点だと思っています」と本作への思いを語った。

映画では、1948年のパレスチナを舞台に、周囲からは結婚への圧力が高まる中で教育を受けたいと願う女の子を描いているが「(監督の出身地である)ヨルダンでは女性のプロデューサーがたくさんいます。“中東で監督は大変ではないか”と質問を受けるのですが、女性が犠牲者だという話には持っていきたくないです。どちらかというと性格や適性だと思いますし、まとめなければいけないのでそれは男性もそうだと思います。『ファルハ』はどの部門もリーダーが女性で、それはたまたま適任者を探したら女性でした」と語った。

また、この時代設定を選んだ理由については「1948年はパレスチナだけではなく、世界的にいろいろなことが起こった。なかなかその時代は映画で触れていることがないし、パレスチナ側から描くことが避けられていると感じたので選びました」と明かした。

本作は、7月20日(水)11:00よりSKIPシティ 映像ホールで上映されるほか、7月21日(木)~27日(水)にはオンラインで配信される。

【写真・文/編集部】

SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2022は[スクリーン上映]2022年7月16日(土)~7月24日(日)にSKIPシティ 彩の国ビジュアルプラザ 映像ホール、多目的ホール(埼玉県川口市)、メディアセブン(埼玉県川口市)ほかで開催、[オンライン配信]7月21日(木)~7月27日(水)に配信!
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