『ぜんぶ、ボクのせい』の完成披露上映会が7月24日(日)に新宿武蔵野館で行われ、白鳥晴都、川島鈴遥、オダギリジョー、松本優作監督が登壇した。

自主制作映画『Noise ノイズ』で世界中の映画祭を席巻した駿才・松本優作監督最新作。本作では日本の社会のリアルを見つめながら、孤独を抱えた3人の絆、そして1人の少年の成長を鮮烈に描き切る。主演を務めるのは、オーディションで選ばれた新人の白鳥晴都。瀬々敬久監督映画『とんび』で、スクリーンデビューを果たし、本作でも堂々とした瑞々しさ溢れる演技で存在感を発揮。ヒロインを演じる川島鈴遥はオダギリジョー監督『ある船頭の話』でヒロインに抜擢され、高崎映画祭最優秀新人女優賞を受賞した。若手2人を支えるのはオダギリジョー。本作では主人公が海辺で出会う軽トラで暮らすホームレスの役を演じる。

初めての舞台挨拶に緊張を隠せない様子の白鳥は「つらい環境の中で生きていく役なので難しかったんですけど、少しでも優太の気持ちを理解できるように、何度も台本を読み返して、台本に載っていない部分も想像しました」と役づくりを振り返った。そんな白鳥について、「初めて会った時は違うかなと思った(笑)」と明かしつつも、重要なシーンを演じた際の演技に「すごくドキッとして晴都くんしかいないと思った」とキャスティングの理由を語った。

オダギリが監督を務めた『ある船頭の話』に出演していた川島だが、本作では共演という関係だが「(初共演のシーンでは)どう来るか予想が出来なくて。私の中の“おっちゃん”像と実際にオダギリさんが演じた“おっちゃん”が結構違ったので」と言うと「いい意味で?(笑)」と笑いながら返したオダギリ。これに川島は「いい意味で(笑)アドリブも交えて台本に縛られずに演技ができたので、オダギリさんに助けられてうれしかった」と振り返った。

また、劇中で印象的な“軽トラ”についてはオダギリからの提案だったようだが、MCがそのことに触れると「下手(したて)に出てのことです」と笑いを誘ったが、これに松本監督は「オダギリさんからアイデアをいただいて、軽トラにいろいろ物語が込められると思った」とアイデアを採用した理由を明かした。また、20代からさまざまなアイデアを書き留めているというオダギリは「持っていたアイデアがあふれ出したのかも」と自身が考えていた作品と重なった部分もあった様子。

2年以上前に提案してから進めてきたという本作では脚本も担当する松本監督は「いろいろと感じていただければ嬉しいです」と本作に込めた思いを語り、「自分が苦しい時とかうまくいかないときに何かのせいにしないと生きにくい時代なのかなと思って。自分が感じたことを荒々しく詰め込んだ気がします。見終わった後に気持ちいい風になるか分からないですが、いろんなことを想像していただけると嬉しいです」とメッセージを送った。

【写真・文/編集部】

『ぜんぶ、ボクのせい』は2022年8月11日(木・祝)より新宿武蔵野館ほか全国で順次公開!
監督・脚本:松本優作
出演:白鳥晴都、川島鈴遥、松本まりか、若葉竜也、仲野太賀、片岡礼子、木竜麻生、駿河太郎/オダギリジョー
配給:ビターズ・エンド
© 2022『ぜんぶ、ボクのせい』製作委員会