『ヘルドッグス』の記者会見が9月6日(火)に日本外国特派員協会で行われ、MIYAVI、原田眞人監督が登壇した。
主演:岡田准一、監督・脚本:原田眞人が『関ヶ原』、『燃えよ剣』に続き3作品目のタッグを組んだ究極のノンストップ・クライム・エンターテイメント。岡田が演じるのは、正義も感情も捨て、腕っぷし一つでヤクザ組織に潜入しのし上がる元警官・兼高昭吾。愛する人が殺される事件を止められなかったトラウマを抱え、復讐することのみに生きる“闇に落ちた男”。その狂犬っぷりに警察組織から、関東最大のヤクザ組織「東鞘会」への潜入というミッションを強要される。そんな兼高とバディを組む室岡秀喜を演じるのは坂口健太郎。室岡は死刑囚の息子という境遇ゆえに心の奥底に闇を抱え、組織内でも誰も手が付けられない存在。警察のデータ分析によると相性<98%>の2人。最強の“狂犬コンビ”として組織を上り詰め、互いになくてはならない存在となっていくが、“真実”は絶対に明かせない関係の2人は、やがて予測不能な展開に巻き込まれていく―。
本作では岡田准一と3度目のタッグを組んでいる原田監督だが「岡田さんは坂口さんと共演が初めてということで顔合わせをしたのですが、その時の坂口さんが非常にチャーミングだった」とスムーズにキャスティングが進んだ様子をうかがわせ、「MIYAVIさんは原作を読んでいる時から彼のビジュアルが脳裏に浮かんでいました。彼の演技を初めて見たのが『不屈の男 アンブロークン』(2014)という映画で、いつか起用できればと思っていました」とキャスティングについて語った。
その原田監督からオファーを受けたMIYAVIは「世界的にも屈指の映画監督ですので、非常に光栄に思いました。自分はふさわしいのかと、一度監督とお話をさせていただいて、どういうビジョンを描いているのかお聞きしたいと思いオフィスへ出向いたところ、勢ぞろいで迎えてくださった。監督のお話を聞くと、国内のマーケットのみを意識しておらず、そして知識が非常に豊富で、日本語でお話しても監督の言っていることはよく分からないくらいに知識が豊富でした。監督は典型的な極道モノを描きたいわけではないんだと、新しい映画を作りたいんだという印象を受けたので、こんなに光栄なことはないと答えさせていただきました」と振り返った。
本作におけるセットやロケなどの美術面については「『KAMIKAZE TAXI』(1995/原田眞人監督)と類似するところが多いです。欧米の監督が描くであろう極道の世界を描いたつもりです。フィリピンやタイを舞台にしたシーンを撮りたくて、フィリピンでロケハンもしましたが、コロナの影響で叶いませんでした。撮影自体も一年間延期になり、最終的に東京の周辺で行わなければなりませんでした。キャスティングと同じように考えていて、見合うようなロケーションで撮影しなければいけないと思いました。自分の地元の一部で撮影することにもなりましたので、僕自身も新発見することになりました。一年間企画が休止されましたが、結果的に功を奏したと思います」と明かした。
「監督からは『地獄の黙示録』(1979)のカーツ大佐を意識してほしいと言われました。権威に失望した男を演じるということでした。とにかく監督が描く新たな世界を体現することをミッションに掲げて出演しました」という。また、「岡田(准一)さんがマーシャルアーツに長けているので、自分のシーンの撮影が終わってもアクションシーンの面倒を見てくれたんです。彼がいてくれたおかげで、キャスト全員がアクションシーンを楽しむことができました。また、この作品に出演できたことで、日本という国を再発見できたと思っています」と明かした。
最後に原田監督は「日本のみならず、フィルム・ノワールの歴史を担ぐ、フランスやアメリカの観客にも見られるような映画を作りたいと思いました」、MIYAVIは「日本の作り手がグローバルに訴求するようなフィルムノワールを作っています。この作品で日本を再発見する、極道の世界を再見するいい機会となると思います。新たな体験となる作品を監督が作っています。そういったチャレンジ精神に共鳴して、いろんな要素が組み込まれている作品で、フィルム・ノワールでありながらエンターテインメントでもあり、日本を新たに体験できる、新たに発見できる作品です」とメッセージを贈った。
【写真・文/編集部】
『ヘルドッグス』は2022年9月16日(金)より公開!
脚本・監督:原田眞人
出演:岡田准一、坂口健太郎、松岡茉優・MIYAVI・北村一輝、大竹しのぶ、金田哲、木竜麻生、中島亜梨沙、杏子、大場泰正、吉原光夫、尾上右近、田中美央、村上淳、酒向芳
配給:東映/ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
©2022「ヘルドッグス」製作委員会