平庫ワカのコミックをタナダユキ監督が映画化した『マイ・ブロークン・マリコ』の本編映像と場面写真が解禁された。

原作は、2019年にWEBコミック誌「COMIC BRIDGE」で連載され、今までにない斬新な物語設定と、みる者に投げかける答えの見つからない問いかけが、多くの読者をその世界に引き込んだ。映画では、タナダユキ監督の力強さと繊細さを兼ね備えた演出、永野芽郁のこれまでのイメージを大胆に覆す役柄と演技、そして原作の持つ物語の力がひとつになり、人間の儚さと逞しさが、優しく熱をもって描かれる。ともに生き、ともに旅をするシイノとマリコの物語が誕生した。 鬱屈した日々を送るOL・シイノトモヨ(永野芽郁)は、テレビのニュースで親友・イカガワマリコ(奈緒)が亡くなったことを知る。マリコの魂を救うために、マリコの実家から遺骨を強奪し逃走。マリコの遺骨を抱いて“ふたり”で旅に出ることに―。

今回、親友の遺骨を持って旅に出る主人公シイノ(永野芽郁)が、道中で出会う青年・マキオ(窪田正孝)の出演シーンと場面写真が解禁された。映像では、マリコの遺骨を抱え、バスで岬に向かったシイノだが、到着して早々にひったくり犯から鞄を奪われてしまう。そこに、釣り道具を持ったマキオ(窪田正孝)が現れる。「大丈夫ですか?」「大丈夫に見えるかよ!」「大丈夫に…見えますね」。シイノの心配をする優しさを持ち、一方でどこか飄々として掴みどころのないキャラクターだ。そんなマキオにシイノも思わずあきれ顔。「大丈夫なわけあるか!」と全力でツッコむ。そうこう話している間に、マリコからもらったたくさんの手紙の束も一緒に奪われてしまったことに気付き、大事な遺骨を置いたままひったくり犯を追いかけ猪突猛進にダッシュする――。

『ふがいない僕は空を見た』『ロマンスドール』に続き、タナダユキ監督作へ3度目の出演となる窪田正孝。「僕たちがやりました」(17)以来、永野芽郁とは5年ぶりの共演となる。何かに突き動かされるように、親友の遺骨を持って知らない土地を訪れ危険な目に遭うシイノに対し、真摯に向き合うマキオは、自身も辛い経験をした過去を持つ。自分ごとのように他人に目を配り優しく手を差し伸べる姿に、原作ファンからは「まるでスナフキンのよう」だと捉える声も上がっている。

解禁された場面写真でも優しい視線を投げかけるマキオ。どこか哀愁を感じさせる背中も、孤高の旅人・スナフキンを感じさせる。窪田は、演じた役どころについて、「過去を背負っていて、岬を来る人たちを監視している」ようだと分析し、「人と違う時空に住んでいるような感じを出したくて演じていましたね」と語る。また、そんなマキオが作品の中でも特にお気に入りのキャラクターだと語るタナダ監督は「ちゃんと傷つき、それでも生きてきた人だからこそ言える言葉を、マキオとして確かに紡げる人、それが窪田正孝さんでした。そんな彼だからこそ、放つ言葉に真実味と優しさが溢れたんだと思います。」と明かしている。また、久しぶりの共演となる永野さんについて「大人の女性になっていてびっくりした。シイノ役はプレッシャーだったと思うが、また新しい永野芽郁が見れた」と賞賛。劇中で、主人公シイノをやさしく見守るマキオ同様あたたかな視点で永野との共演を振り返った。

本編映像

『マイ・ブロークン・マリコ』は2022年9月30日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国で公開!
監督:タナダユキ
出演:永野芽郁、奈緒、窪田正孝、尾美としのり、吉田羊
配給:ハピネットファントム・スタジオ、KADOKAWA
©2022映画『マイ・ブロークン・マリコ』製作委員会