『ぼくらのよあけ』の完成披露試写会が9月12日(月)にTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、杉咲花、悠木碧、朴璐美、横澤夏子、主題歌を担当する三浦大知、黒川智之監督が登壇した。
「ぼくらのよあけ」は「月刊アフタヌーン」(講談社刊)にて連載され、日本で最も長い歴史を誇るSF賞である星雲賞候補にもなった、今井哲也の傑作SFジュブナイル漫画。阿佐ヶ谷団地に住む小学4年生の沢渡悠真(CV:杉咲花)と仲間たちが、ある日、沢渡家の人工知能搭載型家庭用オートボット・ナナコ(CV:悠木碧)をハッキングした未知の存在を宇宙に帰すために奮闘する、ひと夏のSF冒険物語。
「一緒に冒険しているような気持ちになって、とても特別な体験だったと感じています」とアフレコを振り返った杉咲。劇中では杉咲演じる悠真とは掛け合いを披露している悠木だが「アフレコブースが分かれていたことによってそれっぽくなった。ナナコの姿はナナコだから、杉咲さんに見えてないほうが」と言い、悠真について「杉咲さんのお声で彼の優しさも見える場面がいっぱいあってより好きになった」と称賛。一方で杉咲も「台本で想像していた以上に豊かなところに連れて行っていただけた感覚がある」と語った。
朴は台本を読む前に監督から「今回とても難役をお願いしています」とLINEがあったといい、「台本を開いてみたら難役どころじゃないでしょと」と笑いを誘った。劇場アニメのアフレコ初挑戦となった横澤は「スタジオに入って、“テレビで見たことあるブースだ!”と思って(笑)声優さんてすごいなと、再リスペクトです」と明かした。
主題歌を担当する三浦は「人と人とのつながりだったり、親との絆みたいなものとか人間らしいところが描かれている作品。温かさと大きさがひとつの音楽になって、この作品とともに楽しんでいただける曲になったらいいなと思って歌いました」と楽曲に込めた思いを語った。
本作にちなんで、“幼いころに忘れられない冒険”について聞かれると、「初めて友達の家にお泊りに行った時」という杉咲は「家族がいない寂しさが小さいころの自分にとっての冒険だったと思います」と答えた。
また、“未知なる存在と遭遇したら?”という質問を受けた朴は、ほかの登壇者に答えを聞いていき、悠木は「ガンガンいきますね!割といっちゃうタイプ」、杉咲は「お菓子とかあげてみたり(笑)」、三浦は「話してみたい」、横澤は「お金で操りたい」、黒川監督は「3日間くらい監察したい」とそれぞれの特徴のある回答を披露し、朴は「向こうが友好的だったら友好的に。相手の出方次第」と答え、笑いを誘った。
また、ステージで歌う前のルーティンなどの“約束ごと”について聞かれた三浦は「約束ごとを作らないというのが約束かもしれない。どんなときでもフラットにステージに出ていけるのがベストかな」と答え、そのきっかけについて「ダンサーと背中をたたき合ってステージに出ていくというのがあって、一種の約束事になってたんですけどどうしてもできない時があったんです。すごいよかったんです、そのライブが。背中叩くやつ関係なかったんだと思って」と明かした。杉咲も「私もないです。作らないようにしています」と共感している様子だった。
最後に杉咲は「自分が叶えたいものに向かって真っすぐに突き進んでいく姿が描かれていて、自分ごとのようにとらえられる物語だと思っています。大切なものをもっと大切にしたいと思えたりするようになったらうれしいですし、みなさんにだけ見えるよあけが訪れることを願っています」とメッセージを送った。
【写真・文/編集部】
『ぼくらのよあけ』は2022年10月より全国で公開!
監督:黒川智之
声の出演:杉咲花、悠木碧、藤原夏海、岡本信彦、水瀬いのり、戸松遥、花澤香菜、細谷佳正、津田健次郎、朴璐美
©今井哲也・講談社/2022「ぼくらのよあけ」製作委員会