ジュリー・テイモア
Marco Grob


10月24日(月)より開催される第35回東京国際映画祭のコンペティション部門 審査委員長をジュリー・テイモアが務めることが決定、併せて主要企画が決定した。

昨年からメイン会場を日比谷・有楽町・銀座エリアに移し、プログラミング・ディレクターも替わり大きな進化を果たした東京国際映画祭。今年は会場を大幅な拡大、10月24日(月)のオープニングセレモニーを初の会場となる東京宝塚劇場で行うほか、クロージングセレモニーは東京国際フォーラム ホールCで実施。さらに上映劇場は昨年の角川シネマ有楽町、シネスイッチ銀座、ヒューマントラストシネマ有楽町、TOHOシネマズシャンテ、有楽町よみうりホールに加えて、TOHOシネマズ日比谷、丸の内TOEI、丸の内ピカデリーの大型劇場でも上映、これにより上映本数も拡大される。

コンペティション部門 審査委員長にジュリー・テイモア

今回、映画祭の顔となるコンペティション部門の審査委員長を、舞台「ライオンキング」(1997)の演出や映画『タイタス』(99)、『フリーダ』(2002)、『アクロス・ザ・ユニバース』(2007)、『グロリアス 世界を動かした女たち』(2020)などを監督した舞台演出家・映画監督のジュリー・テイモアが務めることが決定した。その他の審査員(全5人予定)は後日発表される。世界中から集められた珠玉のコンペ作品(全15作品)を世界の目で審査する。

ジュリー・テイモア コメント

芸術は私たちを混沌の中から導き出し、道を切り開く道標です。暗い劇場の中、目の前で明滅する映像は、私たちを深く引き込み、孤立した単一の自己存在から引き離します。映画館で作品にひたってください。そこは、私たちがまったく知らないこと、知っていると思っていること、個人的に経験したことの境界をともに越えさせてくれる宮殿です。他人の人生や愛に没入して、鼓舞され、苦悶させられてください。第35回東京国際映画祭のコンペティション部門国際審査委員長として来日できることを、とても光栄に思います。

黒澤明賞

日本が世界に誇る故・黒澤明監督の業績を長く後世に伝え、新たな才能を世に送り出していくために、世界の映画界に貢献した映画人、そして映画界の未来を託していきたい映画人に贈られる賞として、黒澤明賞が東京国際映画祭に戻ってくる。

過去にはスティーヴン・スピルバーグ、山田洋次、侯孝賢などが受賞していた同賞だが、今年は、山田洋次監督、仲代達矢、原田美枝子、川本三郎、市山尚三 東京国際映画祭プログラミング・ディレクターの5人の選考委員により選ばれる。受賞者は後日発表される。

また、同賞に合わせて、「黒澤明の愛した映画」と銘打ち、『フィツカラルド』『ミツバチのささやき』など黒澤明が愛した世界の名作も上映される予定。

黒澤明監督

ツァイ・ミンリャン監督デビュー30周年記念特集

東京国際映画祭ヤングシネマ部門ブロンズ賞を受賞した『青春神話』での監督デビューから30周年を迎える台湾の巨匠ツァイ・ミンリャンの特集上映が、台北駐日経済文化代表処台湾文化センター及び東京フィルメックス(10月29日~11月6日予定)との共催で開催される。

東京国際映画祭では『青春神話』『楽日』や日本未公開の短編などを、東京フィルメックスでは『西瓜』『ヴィサージュ』などを上映。両映画祭にとってこれが史上初の共催企画となる。

ツァイ・ミンリャン監督
Photo by Claude Wang

Nippon Cinema Now部門特集〈追悼 青山真治〉

昨年新設された、この1年の日本映画を対象に特に海外に紹介されるべき日本映画という観点から選考された作品を上映する「Nippon Cinema Now部門」では、今年3月に急逝した青山真治監督を追悼し、代表作2作品『EUREKA ユリイカ』と『エリ・エリ・レマ・サバクタニ』を英語字幕付きで特集上映する。

青山真治監督
Photo by Masayuki IKEDA

国立映画アーカイブ共催「長谷川和彦とディレクターズ・カンパニー」

東京国際映画祭は国立映画アーカイブと共催で特集上映「長谷川和彦とディレクターズ・カンパニー」を開催、1982年に長谷川和彦の呼びかけによって設立され、11年間にわたって個性的な作品を作り続けたディレクターズ・カンパニーの作品を35㎜で国立映画アーカイブ小ホールにて上映する。

東京国際映画祭では日本映画クラシックス部門の中でディレクターズ・カンパニーの代表作4作品『台風クラブ』『光る女』『DOOR』『地獄の警備員』のデジタルリマスター版をTOHOシネマズ シャンテにて上映する。

『台風クラブ』
©ディレクターズカンパニー

ジャパニーズ・アニメーション部門特集

2022年のテーマは「ゼロから世界を創る」。「アニメーションで世界を創る」と題して、最新アニメ映画『雨を告げる漂流団地』『夏へのトンネル、さよならの出口』『ぼくらのよあけ』の3作品をピックアップ。レトロスペクティブ「アニメと東京」ではアニメが「東京」という世界をいかに描いたかに注目し、4作品を上映する。

第35回東京国際映画祭は2022年10月24日(月)~11月2日(水)に日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区で開催!