認知症本人と家族の9年間の軌跡を映画化した『オレンジ・ランプ』で貫地谷しほり、和田正人がダブル主演を務めることが発表された。

只野晃一は、カーディーラーのトップセールスマンとして活躍していた。妻・真央と2人の娘とも仲が良く、休みには仲間とフットサルを楽しむなど、毎日が充実していたが、ある日から、お客様やスタッフの名前も忘れるなど自分が想像してなかった症状に見舞われるなど、少しずつ異変を感じるようになる。病院で検査を受けた結果、診断は若年性アルツハイマー型認知症。家族のことを思い、不安に押し潰されそうになる日々。何でもやってあげようとする真央と、日ごとに元気がなくなっていく晃一。しかし、あることをきっかけに妻や本人の意識が変わり、職場や地域の人々の意識も変わっていく…。晃一と家族は、なぜそのような生活を送れるようになったのか。

認知症と診断されながらも、夫婦で如何に、前向きに生きていくのかを描く本作は、2017年に公開し、2022年の現在も各地で上映され続け観客動員人数13万人を突破した『ケアニン ~あなたで良かった~』をはじめ、『ピア~まちをつなぐもの~』(19)、『ケアニン~こころに咲く花~』(20)とやさしい眼差しで認知症・介護の世界を描き続ける製作陣の最新作。監督は、『村の写真集』『しあわせのかおり』などを手掛けた三原光尋。企画協力は、実際39歳の時に若年性アルツハイマー型認知症と診断されながらも、自らの経験を語る講演などで活躍している丹野智文さん。

そして、今回主要キャストが発表された。只野晃一の妻・只野真央を演じるのはブルーリボン賞最優秀主演女優賞を受賞した『くちづけ』(13)や『サバカン SABAKAN』(22)など映画・ドラマ・舞台などで幅広く活躍する貫地谷しほり。そして若年性アルツハイマー型認知症と診断された夫・只野晃一は、NHK連続テレビ小説「ごちそうさん」で注目され、現在放映中のドラマ「純愛ディソナンス」など出演作が相次ぐ和田正人が演じ、実話を基に認知症本人と家族の9年間の軌跡をたどる、希望と再生の物語が完成した。

39歳の時に若年性アルツハイマー型認知症と診断された丹野智文さんは、現在も働きながら、普段通りの生活を送っている。その背景には、本人や家族の工夫に加えて、地域や職場など周りの環境も大きく関係している。本人や家族、周囲の人々はどのように認知症を受け入れ、ともに生きてきたのか。丹野さんの実話をベースにその過程を描く。

丹野智文さん コメント

今回、私のことが映画になるのは嬉しさと恥ずかしさが入り混じった気持ちです。
私の役を和田正人さん、そして妻の役の貫地谷しほりさん、2人とも優しい雰囲気で聞いた時にはよかったと思いました。
この映画をとおして、認知症と診断されてからの葛藤や周りの人達の関わりから認知症と診断されても笑顔で前向きに過ごす事が出来ることを知ってもらえると思います。なぜ、9年経っても笑顔で認知症の啓発活動ができているのか、これから認知症の人に接するヒントになると思います。
ぜひ、多くの人達に見てもらいたい映画です。

『オレンジ・ランプ』は2023年に全国で公開!
監督:三原光尋
出演:貫地谷しほり、和田正人
配給:ギャガ
©2022 『オレンジ・ランプ』製作委員会