『線は、僕を描く』完成報告会に横浜流星・清原果耶らキャスト・監督が登壇

『線は、僕を描く』の完成報告会が9月27日（火）に都内で行われ、横浜流星、清原果耶、細田佳央太、江口洋介、三浦友和、小泉徳宏監督が登壇した。

青春芸術小説「線は、僕を描く」（砥上裕將著／講談社文庫）を実写映画化した本作。『ちはやふる』を青春映画の金字塔に仕立て上げた小泉徳宏監督を筆頭にした製作チームが再結集。主演は横浜流星。とあるきっかけで水墨画と出会い、学ぶことでその世界に魅了されていく主人公・青山霜介役に臨む。霜介と出会いライバル心を抱くようになる篠田千瑛を清原果耶が演じる。

水墨画をテーマにした本作に「墨と水と筆と紙だけでこんなにも美しい画が広がることに感銘を受けました」と言い、「自然や自分と向き合えることができるので、すごく大事な時間でしたし、水墨画を通して大事なことに気づけた。本当に幸せな時間でした」と感慨深げに振り返った。清原は「自分には描けないだろうと思える画をたくさん練習させていたく機会があって、描いていくうちにどんな人でも挑戦できるものだと、触れてよかったと思える日本文化だと思いました」と語った。

水墨画の監修を務めた小林東雲からは「『清原さんは思ったより大胆な線を描く人だね』と言われて。『見た目は少女なのにこんな線を描くんだ、意外です』と言われ、恥ずかしかったです（笑）」と笑いつつ、「負けず嫌いな性格があるので線に出ちゃったのかな」と笑った。一方で横浜は「力強い線を描くねと。霜介は繊細な線を描くのでどうしていこうかと」と悩みもあったという。「その時の内面が映し出されるので、霜介の気持ちになって線を描くことが大事でした」と振り返った。

また、清原は撮影について「私は短期間で練習する機会をいただけたのですが、先生のレベルの画は何十年単位で練習しないと描けない。私は千瑛という役で現場に立つので、水墨画に触れてきたんであろう所作に注力していました」と振り返った。

撮影現場では「人見知り全開」という細田は、横浜に対して「どうやってお話しかけようか」という悩みもあったというが、飲み物の好みが同じだったことがきっかけで「お好きなんですか？」と声をかけたという。「好きなものを共有すれば距離が近くなる」と笑顔の横浜だが「それがなかったとしても仲良くなったと思います。明るくて実直で好感の持てる方という印象です」と細田の印象を語った。

今回、3年ぶりの共演となった横浜と清原だが、横浜は清原について「歳は下ですけど役者としてリスペクトしています。芯があってすさまじい集中力を持っていて、頼もしい、信頼がおける方。3年前に共演させてもらったんですけど、心が大きくなってたくましくなって成長された彼女を見て、たくさん刺激をもらいました」と明かした。一方で清原は「数年ぶりにご一緒させていただいたんですけど、たくさんの経験をこの数年で積まれて、あの頃より背中が何倍も大きく見えました。現場を引っ張っていく感じとか、すごかったです」と称賛した。

最後に横浜は「水墨画の魅力もたっぷり詰まっていますし、人や自然の温かさ美しさ、言葉の力をとても感じました。皆さんにも何か感じてもらえたらうれしいです」とメッセージを送った。

【写真・文／編集部】