佐藤正午の描く感涙のベストセラー小説を廣木隆一監督が実写映画化した『月の満ち欠け』の現場レポートが到着し、併せてメイキング写真が解禁された。
現代を生きる、愛する妻子を亡くした男性・小山内と、27年前にある女性と許されざる恋をした男性・三角。無関係だった彼らの人生が、”瑠璃”という名の女性の存在で交錯する。これは、「愛する人にもう一度めぐり会いたい」という願いが起こした”奇跡”が紡ぐ、数奇で壮大なラブストーリー。主人公・小山内堅には大泉洋。小山内の娘と同じ名前を持つ謎の女性・正木瑠璃には有村架純。正木瑠璃と許されざる恋に落ちる大学生・三角哲彦には、ソロでの映画出演は初となるSnow Manの目黒蓮。そして、小山内の妻・小山内梢には柴咲コウ。監督は廣木隆一。
2021年11月から12月にわたり撮影された本作。とある一軒家スタジオで行われていた撮影は、18歳になった小山内瑠璃(菊池日菜子)の誕生日を、大泉洋演じる主人公・小山内堅と妻・梢(柴咲コウ)、そして瑠璃の親友・緑坂ゆい(伊藤沙莉)の3人で祝うシーンだ。ゆいがホームビデオカメラで撮影し、小山内が梢とのなれそめを語る場面では「本当にカメラ回ってる?」など大泉の細かいアドリブが炸裂。柴咲ら3人もつい笑顔になり、終始賑やかな雰囲気で撮影は進んでいった。
愛妻家の小山内は家族との時間を大事にしており、見ているこちらが照れてしまうほどラブラブな夫婦。絵に描いたような幸せな家族の、愛に満ち溢れた日常の1コマだがこの直後、梢と瑠璃を交通事故で失い、一気に不幸のどん底に叩き落とされる小山内だけに「僕がこんな笑顔でいられるのも今日までですよ」と苦笑いする大泉。「この後どうなるかを知っているだけに、赤ちゃんの瑠璃を抱いているシーンから既に切なかったです」と心境を語った。小山内のことを結婚から20年近く経っても愛し続けている梢を演じた柴咲は「梢は柔和で愛情深い人。しかし物腰の柔らかさの中にも、ブレない信念や強さが潜んでいる人という印象を感じたので、そういった部分を大切に演じました。」と役作りで意識した点を明かす。
夫婦役を演じた大泉と柴咲は映画『青天の霹靂』で共演経験があり、息ピッタリ。本作のプロデューサーであり、映画『騙し絵の牙』で大泉とタッグを組んだ仲である新垣弘隆は、今回のキャスティングについて「おふたりの相性の良さは分かっていましたし、並んだ姿を想像すると理想的な小山内夫妻そのものだと思いました。普段はお茶目で柔和な雰囲気でいながら、内面に秘めた思いや意志の強さがある梢は柴咲さんにマッチすると感じました。おふたりの夫婦としての説得力は予想以上でした」と太鼓判を押す。
しかし、そんな幸せなシーンの撮影から一変。別の日のとある現場には、妻と娘を失った失意を表現するために、短期間で自主的な減量を敢行した大泉がいた。頬がげっそりし、そこに肌のシミや白髪などを付け足し55歳の小山内の姿を作りあげていく。「普段は老けてみられるのは嬉しくありませんが、今回ばかりはスタッフに“大泉さん、老けましたねぇ”と言われるのが嬉しいです(笑)」と大泉自身もその仕上がりに満足したよう。新垣プロデューサーは「大泉さんは皆さんがよくご存知の明るいポジティブな一面をお持ちですが、今回の小山内は幸せのピークから一気に突き落とされるキャラクター。光と影、その深みや落差を魅力的に演じ分けられるのは大泉さんしかいないと思いました。ベストオブベストなキャスティングでした」と自信を覗かせた。大泉洋のストイックな役づくりや年代ごとの演じ分けの振り幅にますます期待が膨らむ。壮大なラブストーリーの結末とは―。
『月の満ち欠け』は2022年12月2日(金)より公開!
監督:廣木隆一
出演:大泉洋、有村架純、目黒蓮(Snow Man)、伊藤沙莉/田中圭、柴咲コウ、菊池日菜子、小山紗愛、阿部久令亜、尾杉麻友・寛一郎、波岡一喜、安藤玉恵、丘みつ子
配給:松竹
©2022「月の満ち欠け」製作委員会