第35回東京国際映画祭 コンペティション部門出品作品『窓辺にて』の舞台挨拶とQ&Aイベントが10月26日(水)にTOHOシネマズ日比谷で行われ、今泉力哉監督、稲垣吾郎が登壇した。
10月24日(月)~11月2日(水)に日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区地区で開催される第35回東京国際映画祭。コンペティション部門出品作品『窓辺にて』は、『愛がなんだ』『街の上で』『猫は逃げた』など次々と話題作を連発する今泉力哉監督の17作目となる完全オリジナル作品。今泉ワールドの特徴でもある“等身大の恋愛模様”に加え、これまで以上に”好きという感情そのもの”について深く掘り下げて描き切った、美しい大人のラブストーリーとなった。その今泉監督作に初参加するのが、数々の映画やドラマなどで唯一無二の存在感を放ち観客を魅了し続ける稲垣吾郎。本作では、妻について“ある悩み”を持つフリーライター・市川茂巳を演じる。
稲垣が主演を務めた『半世界』、今泉監督の『愛がなんだ』が出品された2018年の東京国際映画祭で出会ったという2人。「もともと監督のファンで、その後に雑誌の対談でお話をした」という稲垣。実はこの対談の時には、今泉監督はプロデューサーから稲垣主演での映画について話があったという。また、経緯を説明する稲垣は、都度英語通訳が入ることに「短めにしゃべったほうがいいのかな。長すぎたなと反省してた」と通訳を気遣う場面もあった。
劇中の台詞について、今泉監督は「映画の台詞は決め台詞みたいにしちゃうと現実世界から離れてしまうので、普段使っている言葉の中でなるべく書こうとしていて」と話す今泉監督だが、本作では主人公が小説家の物語ということで「ちょっとだけ話し言葉と文語的な言葉が混ざっていても成立すると思った」と言い、さらに稲垣が演じることで「言葉が浮かない。本当に話してそうな言葉に見えた」と語った。
役作りについて稲垣は「ここまで役作りしない役はないんじゃないかなというくらい。僕が言いそうな言葉、思っていることを見透かしてるかのような。当て書きはパブリックイメージに当てて書くことはあると思うのですが、そうではなくて心の中を見透かされているような感じがした。そこに佇んでいれば、茂巳として存在できると思って演じました」と言い、「あまりお芝居しすぎない、自然に生まれている言葉のように感じさせる。今泉組のお芝居のスタイルに自分をチューニングしていくという形で合わせていきました。俳優にとって、最高の体験でした」と振り返った。
また、本作を撮るにあたっては「現実世界にある、いい悪いとされていることが設定としてあって、それを疑う作品」と話す今泉監督は「手放すとか辞めることも次に進むために必要だったり、マイナスなことではないんじゃないかという思いもある」と思いを語り、「みんなが知ってる感情は映画の主題になりやすいんですけど、小さな悩みというか、ほかの人に理解されないかもしれないことを主題にしていて」「一つの悩みを大事にしたいと思っていて、それについて描きました」と語った。
【写真・文/編集部】
『窓辺にて』は2022年11月4日(金)より全国で公開!
監督・脚本:今泉力哉
出演:稲垣吾郎、中村ゆり、玉城ティナ、若葉竜也、志田未来、倉悠貴、穂志もえか、佐々木詩音/斉藤陽一郎、松金よね子
配給:東京テアトル
©2022「窓辺にて」製作委員会
第35回東京国際映画祭は2022年10月24日(月)~11月2日(水)に日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区で開催
©2022 TIFF