第35回東京国際映画祭 アジアの未来部門出品作品『クローブとカーネーション』は、平和への希求が伝わる静謐なロードムービー。
10月24日(月)~11月2日(水)に日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区地区で開催される第35回東京国際映画祭。今年で10年目を迎えるアジアの未来部門は、長編3本目までのアジア(日本・中東を含む)のフレッシュな作品を世界に先駆けて上映するアジア・コンペティション部門。最優秀作品には「アジアの未来 作品賞」が贈られます。今年は日本映画2本が入選し、すべて世界初上映(ワールド・プレミア)の10作品が競い合う。
老人ムサが亡き妻を故郷に帰すため、妻の遺体が入った棺を持ち、孫娘のハリメと共にヒッチハイクをしながら国境を目指して旅するロードムービー。ムサとハリメはどちらも寡黙で、ほとんど会話がない。会話をするといえば、ムサがハリメに「こちらへ来なさい」という意味合いで「ハリメ」と名前を呼ぶことくらいだ。その彼らの会話や関係性が旅を通して少しずつ変化していく様子が見どころだ。
彼らが寡黙であることが、時には食べ物や靴を分け与えてくれたり、言葉が通じなくても助けてくれようとしたりする、道中に出会う人々のじんわりとする温かさを際立たせているように感じる。また、ハリメに懐いた野良犬との様子から窺えるハリメの優しさや、彼女が画用紙に描く絵が、作品の中での癒しとなっている。
【文/編集部(E)】
第35回東京国際映画祭は2022年10月24日(月)~11月2日(水)に日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区で開催
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