『窓辺にて』の公開御礼舞台挨拶が11月17日(木)にTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、稲垣吾郎、中村ゆり、今泉力哉監督が登壇した。
『愛がなんだ』『街の上で』『猫は逃げた』など次々と話題作を連発する今泉力哉監督の17作目となる完全オリジナル作品『窓辺にて』は、今泉ワールドの特徴でもある“等身大の恋愛模様”に加え、これまで以上に”好きという感情そのもの”について深く掘り下げて描き切った、美しい大人のラブストーリーとなった。その今泉監督作に初参加するのが、数々の映画やドラマなどで唯一無二の存在感を放ち観客を魅了し続ける稲垣吾郎。本作では、妻について“ある悩み”を持つフリーライター・市川茂巳を演じる。
冒頭では、MCから“フリーライター”のところを“フリーター・市川茂巳役”と紹介された稲垣は「フリーターになろうかな」と笑いを誘った。その稲垣は本作を映画館でも鑑賞したといい「不思議ですよね、自分がいるという感じと」と照れ笑いを浮かべつつ「フリーターみたいな雰囲気で変装していったので」と笑いを誘った。また、実際にSNSで投稿された感想をチェックしているという今泉監督は、特に気になったものをメモして持参。感想を聞いた稲垣は「嬉しいな」と笑顔を見せた。
劇中ではインタビューをするシーンもあるという稲垣だが「僕もそういう仕事をやっていたり、最近はMCの仕事とか雑誌の対談とか。そういう仕事も増えているので嬉しいですね」と語り、「昔はMCの仕事が今ほどなくて。どちらかというと5人グループの一番端っこでおとなしくしていて、前髪をいつも気にしていたちょっとミステリアスな感じでした。最近は“意外とよく喋るな”と言われます(笑)」と笑い、劇中の自身の役どころと重ねて「自分を見ているみたいだなと思う場面がいっぱいありました」と明かした。また、「『演じてないんじゃないの』と言われることもあって、最高の誉め言葉だと」と喜びを見せた。
これまでの人生でラブレターを書いたことがあるかをと聞かれると、「若かりし頃はピュアな気持ちをつづりました(笑)」と明かす中村だが、一方で「ない」という稲垣には「え?これから書きましょう」と驚く中村。稲垣は「字にコンプレックスがあって、字が好きじゃない」と書かない理由を明かしつつも、「残りますしね、手紙はいいものですね」と共感している様子だった。
その稲垣は「ファンレターは出してくれる人にとってはラブレターだと思う」とも語り、さらに「小学生の頃にラブレターをもらったことがあるんですけど手紙を見てないんです。2つ上にお姉ちゃんがいるんですけど返しちゃったみたいです。(返した理由は)まだ聞けてないんですけど…」とエピソードを語った。
さらに“理想の夫婦像”を聞かれると「友達みたいなのがいい。なんでも話せて、寄りかかり過ぎないでお互い自立して」と想像する中村。それを聞いた稲垣は「僕もそういう形がいいなと思って。いい距離感を持ちながら。家族だけど、ある程度他人としても認めていて」と共感すると「ゆりさん、気が合いますね」と話し、笑いを誘った。
また、「趣味を共有できるのは楽しいですね。スポーツだったり、映画を観ることも。趣味が合わないのはつらい、食事の趣味とか。部屋の温度とかね」と話す稲垣だが、「一緒に何かを乗り越える、達成する。山登りとか」と自身が行ってみたい場所を明かすと、中村は「富士山に登ったことがあるけど思いやれない。自分に精一杯」と振り返り、笑いに包まれた。
最後に稲垣は「人間って愛おしいと思える、素敵な大切な作品に仕上がりました。もし気に入っていただけたら、みなさんの大切な映画がいっぱいあると思うんですけど、その映画の仲間入りをしていただけたら嬉しく思います」とメッセージを送った。
【写真・文/編集部】
『窓辺にて』は全国で公開中!
監督・脚本:今泉力哉
出演:稲垣吾郎、中村ゆり、玉城ティナ、若葉竜也、志田未来、倉悠貴、穂志もえか、佐々木詩音/斉藤陽一郎、松金よね子
配給:東京テアトル
©2022「窓辺にて」製作委員会