『ファミリア』の完成披露上映会が11月22日(火)に新宿ピカデリーで行われ、役所広司、吉沢亮、サガエルカス、ワケドファジレ、アリまらい果、シマダアラン、スミダグスタボ、成島出監督が登壇した。

本作は、山里に暮らす陶器職人の父・誠治と海外で活躍する息子・学、そして隣町の団地に住む在日ブラジル人青年・マルコスの3人を中心に、国籍や育った環境や話す言葉などの違い、血のつながりを超えて強い絆で“家族”を作ろうとする姿を描いたオリジナル作品。監督を務めるのは成島出。主人公・神谷誠治を役所広司、一流企業のプラントエンジニアとして海外赴任している誠治の息子・神谷学を吉沢亮、在日ブラジル人青年・マルコスと彼の恋人エリカをサガエルカスとワケドファジレ、マルコスら在日ブラジル人を執拗に追いかける半グレのリーダー・榎本海斗をMIYAVI、誠治が唯一心を許すことのできる友人の刑事・駒田隆を佐藤浩市、地元のヤクザ・青木を松重豊が演じる。

成島監督の作品には10年ぶりの出演という役所だが「久しぶりの成島組は緊張しましたけど、楽しくいい雰囲気のスタッフ・キャストで。吉沢くんをはじめ、フレッシュな若者たちとの仕事はとても楽しかった」という笑顔を見せた。親子役の吉沢は「非常に嬉しかったです。お話をいただいたときに、話自体も素晴らしいですし、役所さんとお芝居ができるということもこの作品に参加させていただける重要なことの一つ。実際にお芝居をして学ばせていただくことがたくさんありました」と振り返った。

また、役所との共演について「役としてのたたずまいが、その場に役の人間が存在している。普段の日常がこれなんだという説得力がすさまじくて…すごかったです」という吉沢。役所は「立派な息子ですよね、お父さんのことをこんなに褒めてくれて(笑)」と照れ笑いを浮かべつつ、「(吉沢が)自然に存在してくれた」と振り返った。

「テレビの向こう側でしか見たことがない人たちと出れることは想像していなかった」というサガエルカスは「いざ役所広司さんを前にやってみたら自然に涙が出た。役所広司さんの力はすごいと思いました」と言う。「(役者の仕事を)日本ではできないと思っていた」というワケドファジレは「ブラジル人の気持ちを伝えられるように頑張ろうと思った」と思いを語った。

吉沢との共演シーンがああるアリまらい果は「あまりにも大きいことだから、毎日を一生懸命やらないとやっていけない感じがみんなあって。でもシーンが始まる前に、役所広司さんも吉沢亮さんも全然違う話をしてくださったり、自然に私たちがいられるように。愛が溢れた現場でした」と振り返った。

シマダアランも「出ている方々がすごい人たちなので緊張したんですけど、監督やスタッフさんが最後まで支えてくれたのでやりきったと思っています」と安堵の表情を浮かべた。また、撮影中には「吉沢さんがプライベートで自分の夢の話を聞いてくれたので嬉しかったです」と明かした。一方でスミダグスタボは「深い役なので印象も残さない役なので、僕に出来るかと思いました」と明かしつつ、「夢のような役でした。感謝の気持ちしかないです。ブラジル人代表としてこの映画に出たので、嬉しいとしか言えない」と思いのたけを語った。

劇中では団地でのBBQシーンもあるが、「協力してくださったブラジル人のみなさんは撮影を楽しんでくれて。寒いんですよ。スタッフもキャストも本当にありがたいと思いました」と振り返った役所。吉沢も「すごい寒かったんですけど、そこに来てくださっていたブラジル人の方も、実際に住んでいる方もいて、ホーム感というかあたたかさがあって。撮影していると団地に住んでる方が帰ってきたりして」と振り返った。

最後に役所は「(今回の舞台挨拶で)久しぶりにキャストが集まって、みんなそれぞれ違う顔を持っていて面白いと思いました。彼らが生き生きと、いい仕事をしていると思います。この映画で楽しんでいただければ嬉しいです」とメッセージを送った。

【写真・文/編集部】

『ファミリア』は2023年1月6日(金)より新宿ピカデリーほか全国で公開!
監督:成島出
出演:役所広司、吉沢亮/サガエルカス、ワケドファジレ、中原丈雄、室井滋、アリまらい果、シマダアラン、スミダグスタボ、松重豊/MIYAVI/佐藤浩市
配給:キノフィルムズ
©2022「ファミリア」製作委員会