傷ついた男⼥のかすかな希望の物語『夜、鳥たちが啼く』の場面写真とメイキング写真が解禁された。

作家・佐藤泰志が、函館ではなく関東近郊を舞台に描いた短編小説『夜、鳥たちが啼く』(所収「⼤きなハードルと⼩さなハードル」河出⽂庫刊)が映画化。内に秘めた破壊衝動と葛藤する売れない小説家の主人公・慎一を演じるのは『東京リベンジャーズ』『燃えよ剣』『余命10年』など多彩な役柄で観客を魅了し続けてきた実力派俳優・山田裕貴。離婚を機に、息子とともに慎一のもとに身を寄せるヒロイン・裕子を、近年、内田英治監督、タナダユキ監督、紀里谷和明監督、松本優作監督など、気鋭の監督作品への出演が絶えない演技派女優・松本まりかが演じる。脚本は高田亮、監督を努めたのは高田の助監督時代からの盟友・城定秀夫。

今回解禁された場面写真は、慎一と裕子の2人が“いびつな「半同居」生活”から一歩踏み出したその瞬間を切り取ったワンシーン。これまで、お互いに惹かれあいながらも、他者と深く関わることを恐れてあえて距離をとっていた2人。そんな2人が、「半同居」生活という新たな生活スタイルの中で時間をかけ、お互いの似た境遇を知り、傷ついた過去に触れ、もがき苦しみながらも必死に生きていこうとする姿に寄り添おうと自然と求め合うようになっていく…。2人の間に流れるのは、寂しさと孤独を感じさせながらも、相手を心の底から思いやるような優しさ溢れる濃密な時間だ。傷ついた男女が仄かな希望に向かって歩み始める、そんな再生の瞬間とも言うべき一瞬を映し出した場面写真とメイキング写真となっている。

山田と松本、共に演技巧者として多くの作品で多彩な役柄を披露してきた2人は、TVドラマ・映画を通して本作が実に5度目の共演にあたる。既に強い信頼関係があったために生まれた2人の間の空気感は、慎一と裕子を演じる上で重要な役割を果たしたそう。松本は、山田とのこれまでにない濃い時間を描いた芝居を振り返り「ここまでの心のやりとりを演じるのは初めてでした。すごく信頼している俳優さんなので山田さんで良かったと思っています」と振り返っている。山田も「慎一は嫉妬深いだけでなく、自分のことを見ていて欲しい、愛がほしい、そんな男にみえたらいいのかなと。アキラと裕子の会話も重要だと思うから、そこも丁寧に演じるよう心掛けました」と自身が演じる役柄について明かしており、「演じ方の微妙な違いで物語が変わってしまう」と城定監督が明かすほど繊細な作品だからこそ、熱心にディスカッションを重ねながら芝居を作り上げていったとか。

鬼才・城定秀夫監督が、主演・山田裕貴と共演に松本まりかを迎え、傷ついた者たちが、ほんの少しだけ前を向いて小さな一歩を踏み出そうとする。本作では、そんなささやかだけれど輝かしい一瞬を、どこまでも優しく、そして美しい筆致で描ききった。

『夜、鳥たちが啼く』は2022年12月9日(金)より新宿ピカデリーほかにて公開!
監督:城定秀夫
出演:山田裕貴、松本まりか、森優理斗、中村ゆりか、カトウシンスケ/藤田朋子/宇野祥平、吉田浩太、縄田カノン、加治将樹
配給:クロックワークス
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