『母性』の初日舞台挨拶が11月23日(水・祝)に新宿ピカデリーで行われ、戸田恵梨香、永野芽郁、廣木隆一監督、原作者の湊かなえが登壇した。
累計発行部数360万部を超え、2010年に映画興行収入38.5億円を記録した超ヒット作『告白』から12年。数々の傑作を生み出し日本中を震撼させてきたベストセラー小説家・湊かなえが「これが書けたら、作家を辞めてもいい。そう思いながら書いた小説」とまで語った渾身の作品で、累計発行部数100万部を超える(6月6日現在)『母性』(新潮文庫刊)を映画化。母性を持てず、娘を愛せない母親ルミ子役を戸田恵梨香、母性を求め、母に愛されたい娘清佳役を永野芽郁が演じる。さらに、物語に登場するひと際キャラの濃い母娘たちを大地真央、高畑淳子、中村ゆり、山下リオが熱演。監督は人間ドラマの名手、廣木隆一が務める。
公開初日を迎え、「いつの間に始まったんだという感じです」と実感が沸かなかったという戸田。本作については「この作品って何なんだろうと不思議に思った」と明かす戸田だが「どこの視点でも見れなくて」と複数の視点で描かれる本作への自身の思いを語った。本作で戸田と初対面だったという永野は「初日を迎えちゃったので戸田さんと過ごす時間が終わりに近づいているので、みなさんを置き去りにして楽しみたいと思います」と笑いを誘い、「(今日は)初めてお会いした日の事を思い出しながら来た」と感慨深げな様子だった。
原作者の湊は「(原作を)書いている時も映像が浮かんでいて。表情が頭の中にあったはずなんですけど、映画を見たらこんな表情で言っていたんだ、こんな顔で聞いていたんだとお二人に教えてもらった感じがした」と言い、「上書きされました」と湊が当初頭の中で描いた映像を思い出せないほどだったという。
永野の演技について、湊は「喋っている時よりもセリフがない時のほうが、永野さんの表情で伝わってきて。表情でいま置かれている現状を表現できるのは素晴らしい」と称賛、これに永野は「嬉しいです。難しいな、どうしたらいいんだろうと考えながら、悩みながらやっていたので。生み出された湊さんに少し認めてもらえた気がして安心しました」と喜んだ。
また、劇中では永野が戸田から「触らないで」と言われるシーンがあるが、このシーンの撮影について「戸田さんとの撮影日数を重ねていなくて、まだちゃんと会話もできていない状況だったので、距離もあってのシーンだったので、本気でグサッときたのを覚えています(笑)」と明かし、「そこからちょっとずつ戸田さんとお話をしよう、戸田さんの懐に入りたい!と思って進んでいった日々だった」ときっかけにもなったという。
また、作品の内容にちなんで、“どんな母親になりたいか”を聞かれると、「(自身が演じるルミ子の母親役を演じた)大地(真央)さんを通した母を見ていて、いつでも笑顔でいるお母さんってやっぱり素敵だなと思ったんです。自分も笑顔で過ごせるために、心のゆとりを持てるようになりたいし、穏やかな家庭を築きたいと思いました」と語る戸田。永野は「全く自分が母親になるイメージはできないんですけど、私自身が母と仲がいいので。いいことも悪いことも共有できる母になりたいと思います」と語った。
最後に「普通に過ごしていく中で気づかなかったことをハッと気づかされる作品で、自分自身を振り返らざるを得ない作品になると思います。前を向くためのきっかけとなったらうれしいと思いますし、みなさんの力となれば嬉しいです」とメッセージを送った。
【写真・文/編集部】
『母性』は全国で公開中!
監督:廣木隆一
出演:戸田恵梨香、永野芽郁、三浦誠己、中村ゆり、山下リオ、高畑淳子、大地真央
配給:ワーナー・ブラザース映画
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