湊かなえ渾身の作品を実写映画化した愛と憎しみの激情エンタテインメント『母性』の本編映像が解禁された。
累計発行部数360万部を超え、2010年に映画興行収入38.5億円を記録した超ヒット作『告白』から12年。数々の傑作を生み出し日本中を震撼させてきたベストセラー小説家・湊かなえが「これが書けたら、作家を辞めてもいい。そう思いながら書いた小説」とまで語った渾身の作品で、累計発行部数100万部を超える(6月6日現在)『母性』(新潮文庫刊)を映画化。母性を持てず、娘を愛せない母親ルミ子役を戸田恵梨香、母性を求め、母に愛されたい娘清佳役を永野芽郁が演じる。さらに、物語に登場するひと際キャラの濃い母娘たちを大地真央、高畑淳子、中村ゆり、山下リオが熱演。監督は人間ドラマの名手、廣木隆一が務める。
今回解禁された本編映像は、人間誰しもが一度は考えさせられたことがあると言っても良い、大切な誰かが目の前で危機に陥ったら「どちらを助けるか」、究極の選択にルミ子が直面する壮絶な火災現場のシーン。いつ家屋全体が崩れてもおかしくないような大きな炎に囲まれ、ドアの隙間から手を伸ばすのが精いっぱいの極限状態のなか、部屋の奥でタンスの下敷きになっている母は、未来ある大切な孫の命を助けるよう必死の説得をするも、大好きな母のことしか目に入らないルミ子は「いやよ。いや。私はお母さんを助けたいの!」と聞く耳を持たず…。業を煮やして握りしめた手を母が離した瞬間、ルミ子の「お母さん!!!」という悲痛な叫びが響き渡る、ルミ子の母に対する異常なまでの愛を象徴するシーンであり、実はこの先いよいよ家が崩れゆくなかで、物語全体を揺るがす重大な事実がひそんでいるという極めて重要な場面だ。
こうして母と娘が絶体絶命の状況に陥っていようとも、こじらせた愛情と“母性”に惑わされ続けるルミ子という役について、戸田は「ルミ子は母への想いが強く、母の世界の中で生きている女性です。彼女自身が自分に気づいていないところもあり、彼女を演じるため様々な試行錯誤を続けましたが、本当に難しい役でした。芝居には正解がないと言われていますが、未だに探している自分がいます」と明かす。対して、命を懸ける場面で熱演のぶつかり合いを見せた大地も「この母だから、この娘となり、その娘が母となり…こうして繋がっていくところが切なく、例え親子であっても、お互いの捉え方の違いですれ違ってしまう人間のもどかしさと同時に、愛おしさも感じながら、本当の優しさとは…と、ルミ子が育てた母の溺愛についても考えさせられました」と振り返っている。
物語の核心にせまっていく緊迫の時間、かつルミ子の異様な様子に“イヤミスの真骨頂”とも言える不穏さMAXのこの場面は、戸田も本作での印象的なシーンのひとつに挙げており、SNS上でも「火事のシーンから最後まで胸が苦しかった。」、「火事のシーンの迫真の演技は鳥肌もんだったな。しかしルミ子が妄信的すぎて怖い!」、「この真実をひとりで背負って生きていくルミ子は、やっぱり娘への母性があったんじゃないかと思うけど、正しいのかわからない」といったコメントが溢れる。この状況から助け出された娘・清佳(永野芽郁)は無事に成長するものの、この火事の奥にひそむ、悲劇を決定づける引き金となる真実とは―。
本編映像
『母性』は大ヒット上映中!
監督:廣木隆一
出演:戸田恵梨香、永野芽郁、三浦誠己、中村ゆり、山下リオ、高畑淳子、大地真央
配給:ワーナー・ブラザース映画
©2022映画「母性」製作委員会