直木賞作家・朝井リョウの同名連作短編小説を映画化した『少女は卒業しない』の予告編とメインビジュアルが解禁された。
廃校が決まり、校舎の取り壊しを目前に控えたとある地方高校を舞台に、世界のすべてだった“学校”と“恋”にさよならを告げる4人の少女たちの卒業式までの2日間を描く本作。原作は、直木賞作家・朝井リョウの連作短編小説。監督・脚本を手掛けたのは中川駿。彼氏へのある“想い”を抱えながら卒業生代表の答辞を担当する料理部部長の主人公・山城まなみを演じるのは、本作が初主演となる河合優実。将来の夢のために進路の違いで彼氏と離れることを選んだバスケ部の部長・後藤由貴役には、小野莉奈。軽音部の部長で同じ部内の中学校からの同級生に恋心を抱く神田杏子役は、小宮山莉渚。クラスに馴染めず図書室に通いながら先生に密かな想いを寄せる作田詩織役を中井友望が演じる。
今回解禁された予告編では「明日取り壊されるこの学校とこの恋にさよならする」という河合優実のナレーションからはじまり、4人の少女それぞれの卒業の物語が語られていく。本映像で初解禁となる20歳のシンガーソングライター・みゆなが手掛けた主題歌も、卒業の切なさと卒業後の新しい世界への期待感を感じさせる楽曲で後押しする。
東京への進学が決まっている後藤と地元に残る寺田、もうすぐ離れ離れになるというのに微妙な空気が流れ口も聞けなくなっていた。本当は離れたくかったー素直になれないままこのまま卒業を迎えてしまうのか…。クラスに居場所がないまま卒業を迎えようとしている作田。淡い恋心を抱いていた図書室の管理をする坂口先生に、今日も会いに行く。卒業式を目前にクラスメイトと話をしてみたいと思い始める作田、先生は卒業を前に変わろうとする作田の背中を押す。
軽音楽部の部長・神田は幼馴染の森崎にひそかに思いを寄せている、森崎が率いるビジュアル系バンドの衣装が紛失し卒業式ライブができないかもしれないという危機に。そんななか神田にはだれにも知られたくない秘密があった…卒業ライブ当日、神田は大切にしていたその秘密と向き合うことにする。まなみは卒業生代表として答辞を読む。恋人の駿と手作りのお弁当を食べた日々ももうすぐ終わってしまう。「ずっとこのままがいいよな」と言う駿の言葉に「そうだね…」とどこか釈然としない返答をするまなみ。卒業式当日、“卒業生代表・山城まなみ”と呼ばれるがすぐに立ち上がることができない…舞台上に立ったまなみが流す涙の真相とは―。この時間がいつまでも続けばいいと願う4人の少女たち。刻一刻と近づいてくる卒業。抗うことのできない別れを受け入れ、それぞれが秘めた想いを形にする…。
予告編
朝井リョウ コメント
鑑賞後、心底、このチームに製作していただけてよかった、と思いました。良質な映画を観たあとにしか得られないあの独特の幸福感を胸に劇場を出ると、普段は社会人の顔をしている関係者陣が皆同じように目をトロンとさせていたので、だよね、超よかったよね! とタメ口で話しかけそうになりました。
自著が原作の映画をこんなにも褒めてしまうのは、非常に巧みで適切な改変のおかげで、原作者というより一人の観客という距離感で映画に臨めたからです。オリジナルのシーンが尽く素晴らしいこと、この題材でターゲットを選ばない作品に仕上げていただいたこと――沢山の有り難さを噛み締めています。この映画から旅立っていくキャストの方々の未来まで、楽しみになりました。
『少女は卒業しない』は2023年2月23日(木・祝)より新宿シネマカリテ、渋谷シネクイントほか全国で公開!
監督・脚本:中川駿
出演:河合優実、小野莉奈、小宮山莉渚、中井友望、窪塚愛流、佐藤緋美、宇佐卓真/藤原季節
配給:クロックワークス
© 朝井リョウ/集英社・2023 映画「少女は卒業しない」製作委員会