A24製作×ダーレン・アロノフスキー監督×ブレンダン・フレイザー主演『The Whale(原題)』が『ザ・ホエール』の邦題で2023年4月より公開されることが決定し、併せて場面写真が解禁された。
第79回ヴェネチア国際映画祭でプレミア上映時より主演のブレンダン・フレイザーの演技に絶賛の声が寄せられ、オスカー獲得への期待が高まる中、12月9日に北米全6館で限定公開。2022年の1スクリーンあたりの興収平均の最高記録、またダーレン・アロノフスキー監督作品としては『ブラック・スワン』以来最高のオープニング成績を叩き出した。さらに、先日のゴールデン・グローブ賞ノミネーション発表では、ブレンダンはハリウッド外国人記者協会と自身との過去の出来事から辞退を事前表明していたにも関わらず、主演男優賞にノミネート。その他、活躍目覚ましい若手女優セイディー・シンク(『ストレンジャー・シングス』シリーズ)、話題作への出演が相次ぐホン・チャウ(『ザ・メニュー』『ダウンサイズ』)らが脇を固める。
ダーレン・アロノフスキー監督の『マザー!』(17)以来5年ぶりの最新作は、劇作家サム・D・ハンターによる舞台劇の映画化。ダーレンが初めて舞台をみたその日から長らく構想を温め続けていた企画が10年余りの時を経て、ブレンダン・フレイザー(『ハムナプトラ』シリーズ)を主演に迎え、未だかつてないほどに心を揺さぶる物語を生み出した。自宅のソファからほとんど動かず、引きこもり生活を送り続けた結果、重度の肥満症となったチャーリー。さらに心不全を患い自身の死期が近いことを悟ったことで、過食の原因ともなった長らく押し込め続けたトラウマと向き合うことを決意。自らが壊してしまった家族、疎遠だった娘との絆を取り戻そうとする彼の最期の5日間を描く。ハリウッドの表舞台から長らく遠ざかっていたブレンダンが、272キロの巨体の男チャーリーになりきり、全身全霊で挑むその姿は観る者の心を捉えて離さず圧巻の存在感をみせつける。
チャーリーは、大きな勇気を持って演じなければならず、容姿、内面とも脆弱な姿を完全にさらけ出すことを求められた。ブレンダンは「この役を演じるのが怖かった。自分の限界を越えて深く掘り下げ、わたしのすべてを見せたつもりだ。それがこの映画に焼き付いているよ。あまりにハードでパーソナルな経験だったから、撮影の前と後では違う自分になっていた。このチャンスに感謝している」と語る。アロノフスキー監督は「この映画の登場人物たちは善人でも悪人でもない。僕らと同じようにグレーゾーンの中で生きていて複雑だ。それでも皆お互いに対してのエンパシー(思いやり)を抱いている。以前よりも人々が互いに背を向けているような今だからこそ、重要な問いかけだと思う」と語る。
心をえぐるような喪失と絶望、深い悲しみ、複雑で多くの重荷を抱えながらもどこかチャーミングさと温かさ、知性を兼ね備えるチャーリー。ともすれば目を背けたくなる異形な姿で世界から断絶せざるをえなくなった彼が、心の奥底で信じ続ける願いとは―。誰しもが抱える人間の弱さを率直に描いた感動のドラマに注目だ。
ストーリー
ボーイフレンドのアランを亡くして以来、現実逃避から過食状態になり健康を害してしまった40代の男チャーリー。アランの妹・看護師のリズの助けを受けながら、オンライン授業でエッセイを教える講師として生計を立てているが心不全の症状が悪化し、命の危険が及んでも病院に行くことを拒否し続けている。しかし、自分の死期がまもなくだと悟った彼は、8年前、アランと暮らすため家庭を捨てて以来別れたままだった娘エリーに再び会おうと決意。彼女との絆を取り戻そうと試みるが、エリーは学校生活や家庭に多くの問題を抱えていた…。
『ザ・ホエール』は2023年4月より全国で公開!
監督:ダーレン・アロノフスキー
出演:ブレンダン・フレイザー、セイディー・シンク、ホン・チャウ、タイ・シンプキンス、サマンサ・モートン
配給:キノフィルムズ
PG12
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