『かがみの孤城』公開前夜祭舞台挨拶で當真あみ「背中を押してくれるような何かのきっかけになる作品になれば」

『かがみの孤城』の公開前夜祭舞台挨拶が12月22日（木）に丸の内ピカデリーで行われ、當真あみ、芦田愛菜、宮﨑あおい、原恵一監督、原作者の辻村深月が登壇した。

2018年本屋大賞受賞、累計発行部数170万部突破の辻村深月による大ベストセラー小説が待望の劇場アニメ化した本作。主人公は、学校での居場所をなくし家に閉じこもっていた中学生・こころ。ある日突然、部屋の鏡が光り始め、吸い込まれるように鏡をくぐり抜けると、その先にあったのは城のような不思議な建物。そこには、こころと似た境遇の7人が集められていた。城の中には秘密の「鍵」が隠されており、その鍵を見つけた者は、何でも願いが叶うという。なぜこの7人が集められたのか。鍵はいったいどこにあるのか。すべてが明らかになるとき、驚きとともに大きな感動に包まれる―。

明日より公開される本作だが「明日になったらどういうことになってるか不安ですけど（笑）」と笑いつつ「出来上がったものに関しては自信があるので見守っていきたい」と語る原監督。初のアニメ映画声優を務める當真は「初めての経験がたくさんで、その中でもお客様みなさんに作品をお届けすることができるということが嬉しいことなんだと分かったことが大きかった」と言い、「ドキドキしています。どういう気持ちになるのだろうとか、私と同じ気持ちになる方がいるのかなと考えるとワクワクします」と今の思いを語った。

一方で本作への出演が決定する前に、辻村と対談したことがあるという芦田は、その際に「（芦田が）『かがみの孤城』で演じるとしたオオカミさまがいい、とおっしゃっていただいたことがあって」と振り返り、「今回本当にお話をいただけて、最初は信じられなかったですし嬉しかったです。好きな作品なので、イメージを壊さないように演じていけたらといつもよりも気合いが入りました」と振り返った。また、宮崎は「當真さんの初めてに立ち会えたのが嬉しくて。これから當真さんがいろんなことを経験して変わっていくのを見ていきたいし、この作品の北島先生と同じ気持ちで當真さんを見ているのかなと思っています」と役柄に重ねた。

「『かがみの孤城』が映画になるならアニメーションで観たいと思いました」と明かした原作者の辻村は、完成した作品を観て「感無量です。私が思った通りの姿で画面の中いっぱいで活躍していて、描いた通りの感情がそこにあって感動しました」とコメントした。當真は「キャストさんもたくさんの経験がある方で、原作もたくさんのファンの方がいる作品で、不安の部分もあったんですけど、アフレコで辻村さんが来てくださって、『こころがお世話になりました』と直接言っていただいたときに本当に嬉しくて。この作品に参加できて本当によかったと思いました」と感慨深げな様子だった。

また、アフレコでは最後のシーンを録り終えた際には「當真さんが素敵な涙を流してた。それが嬉しかったです」と明かす原監督。當真は「ワクワクして楽しかった半面、不安というか、作品からのプレッシャー、がんばらなきゃという気持ちがあったので無事に終えれた時に肩の荷が下りた気がして」と涙の理由を明かした。

本作を一言で表現すると、「迷った時、悩んだ時に背中を押してくれる映画」と答えた當真は「みんなの成長していく姿を見た時に背中を推された」と理由を語った。芦田は「味方になってくれる映画。登場人物ががんばる姿を見ると勇気をもらえますし、辛さにもがいている自分もそのままでいいんだよと受け止めてくれる温かさを感じる」と言い、宮崎は「世界を変えてくれる映画。学生の頃は学校という世界が全てで、うまくいかなかったりするとそれですべてが終わってしまう。でも大人になってみるとそんなことなくて違う世界がいっぱいあるから、違うとk呂に目を向けて、足を踏み入れて見たらそんなにちっぽけなことなんだと気持ちが軽くなるかもしれない」とコメントした。

最後に當真は「この作品が観る人にとって背中を押してくれるような何かのきっかけになる作品になればいいなと思います」とメッセージを送った。

【写真・文／編集部】