『スクロール』の完成披露舞台挨拶が1月19日(木)にTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、北村匠海、中川大志、松岡茉優、古川琴音、清水康彦監督が登壇した。
原作は、YOASOBIの大ヒット曲「ハルジオン」の原作者としても知られる橋爪駿輝が2017年に発表したデビュー小説「スクロール」。物語は、鈍色の青春を駆ける若者たちのリアリティ溢れる青春群像劇。“生きること”そして“愛すること”をエモーショナルに表現し、光が射す明日を強く感じさせてくれるストーリーを独創的な世界観で描くのは、様々な映像のジャンルをクロスオーバーして活躍する清水康彦監督。さらに研ぎ澄まされたセンスで唯一無二の映像美で魅せる川上智之が撮影監督を担当。W主演を務めるのは北村匠海と中川大志。
「〈僕〉という名前の役を演じるのは3回目くらいなんです。そのたびに思うのは、俯瞰的な感覚を持っていないといけないという思いがあり」という北村は「どう見てくれるみなさんに寄り添えるか、これは自分自身でもありきっと監督でもあるんだろうなという瞬間、かけらがいっぱいある役だったので、現場で監督としゃべりながら作った」と振り返った。一方で「本当の意味ですがれる人物がいないということに気づいてしまう」と役柄を説明する中川は「匠海とも話していて、内側で抱えているものがつながるものがあって。同じ人物を2つに分けたような、〈僕〉とユウスケは違うようでつながる部分がある」と語った。
「1カット目に注目してもらいたい」と話す清水監督。そのシーンの撮影について「夕方から準備が始まって、ワンテイク目が回ったのが朝の3時」と振り返る中川。朝8時~9時頃までかかったという撮影に北村は「不思議だったのが、全く苦じゃなかった」と振り返った。
映画のタイトルにかけて“スクロールして見返したくなる写真”を聞かれると、「ケータイで写真を撮るという感覚がなくて。写真が200枚~300枚くらいしかない」と言う北村は「さすがに思い出なさすぎると思って今年から撮ろうと思う」と明かした。そんな中で、ケータイの「メモ帳」を見せあったという北村と清水監督。北村は「恥ずかしかったです。書くわりに二度と見たくないような」と書かれた内容を見せたという。
一方で「私、3万枚くらいある(笑)」と明かす松岡は「北村さんの中学校一年生の写真も。最初に出会ったのが中学校一年生の北村」と語り、「再共演するたびにかわいいなと(振り返る)」と笑いを誘った。北村は「初めて共演したドラマが濃かったので。学校の同級生みたいな」と松岡の“北村呼び”を説明した。また、「まっさらだった時の部屋の写真を見返します」と話す中川は「何もないとこんなに広かったんだと。初心に帰れる」と明かした。
最後に中川は「匠海と出会ったのは僕が小学4年生、匠海が小学5年生の時。同じ事務所で演技レッスンをやって、レッスンの帰りは一緒にファミレスに行って。10代の頃は同じオーディションに毎回行って、『また匠海いるよ』みたいな、同じ役を奪い合って。その後も意識をする存在だったんですけど、20代半ばになって同じ映画でW主演を務めることができたということが感慨深い、思い入れのある作品です」、北村は「小さいころから同じ役を取り合っていた仲間である大志とW主演をやることができたのはなんでだろうなと考えると、ユウスケと〈僕〉が表裏一体で一つだから僕たち2人がW主演という形でやれているのかなと。こういう形で共演するのが宿命というか運命というか、この作品でよかったと思う。みなさんの物語であり、どこかの誰かの話であるという視点で観ていただければ」とメッセージを送った。
【写真・文/編集部】
『スクロール』は2023年2月3日(金)に全国で公開!
監督・脚本・編集:清水康彦
出演:北村匠海、中川大志、松岡茉優、古川琴音、水橋研二、莉子、三河悠冴/MEGUMI、金子ノブアキ/忍成修吾/相田翔子
配給:ショウゲート
©橋爪駿輝/講談社 ©映画「スクロール」製作委員会