第75回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門正式出品『PLAN 75』が2月17日(金)よりPrime Videoにて独占配信されることが決定した。

本作は少子高齢化が一層進んだ近い将来の日本で、75歳から生死の選択権を与える架空の社会制度<プラン75>を媒介に、「生きる」という究極のテーマを問いかける衝撃作。年齢による命の線引きというセンセーショナルなテーマを打ち出しつつ、細やかな演出で、この世界を懸命に生きる人々が丁寧に描かれている。

監督・脚本は、本作が長編初監督作品ながら2022年カンヌ国際映画祭オフィシャルセレクション「ある視点」部門への正式出品、そしてカメラドール特別表彰授与という快挙を成し遂げ、第77回毎日映画コンクールでは脚本賞を受賞した早川千絵。「経済的合理性を優先し、人の痛みへの想像力を欠く昨今の社会に対する憤りに
突き動かされて生まれた映画です。倍賞千恵子さん演じるミチという女性の姿を通して、人が生きることを全肯定する。そんな映画にしたい」と、是枝裕和監督が総合監修を務めたオムニバス映画『十年 Ten Years Japan』で本作の出発点である短編『PLAN75』を再構築、キャストを一新し長編映画化した。

夫と死別し、長年一人で暮らしてきた主人公・角谷ミチを演じるのは、名優・倍賞千恵子。セリフで多くを語るのではなく、目や手の動きだけで哀しみや恐れなどの感情を繊細に表現した。本作での演技が高く評価され、第14回TAMA映画賞の最優秀女優賞を、第44回ヨコハマ映画祭と第35回日刊スポーツ映画大賞では主演女優賞を受賞した。<プラン75>に携わる若い世代のヒロムと瑶子を『ヤクザと家族 The Family』(21)の磯村勇斗、『由宇子の天秤』(21)の河合優実が演じ、たかお鷹やステファニー・アリアン、大方斐紗子、串田和美らが顔を揃える。

ストーリー

少子高齢化が一層進んだ近い将来の日本。満75歳から生死の選択権を与える制度<プラン75>が国会で可決・施行された。様々な物議を醸していたが、超高齢化問題の解決策として、世間はすっかり受け入れムードとなる。夫と死別してひとりで慎ましく暮らす、角谷ミチ(倍賞千恵子)は78歳。ある日、高齢を理由にホテルの客室清掃の仕事を突然解雇される。住む場所をも失いそうになった彼女は<プラン75>の申請を検討し始める。一方、市役所の<プラン75>の申請窓口で働くヒロム(磯村勇斗)、死を選んだお年寄りに“その日”が来る直前までサポートするコールセンタースタッフの瑶子(河合優実)、フィリピンから単身来日し<プラン75>の関連施設で働いているマリア(ステファニー・アリアン)は、このシステムの存在に強い疑問を抱いていく……。

『PLAN 75』は2023年2月17日(金)よりPrime Videoにて独占配信
脚本・監督:早川千絵
出演:倍賞千恵子、磯村勇斗、たかお鷹、河合優実、ステファニー・アリアン、大方斐紗子、串田和美
©2022『PLAN 75』製作委員会/Urban Factory/Fusee