『そして僕は途方に暮れる』の公開御礼舞台挨拶が1月24日(火)にTOHOシネマズ日比谷で行われ、藤ヶ谷太輔(Kis-My-Ft2)、前田敦子、中尾明慶、三浦大輔監督が登壇した。
本作は、藤ヶ谷太輔演じる主人公の平凡なフリーター・菅原裕一がほんの些細なことから、恋人、親友、先輩や後輩、家族…と、あらゆる人間関係を断ち切っていく人生を賭けた逃避劇。舞台に続き主人公・菅原裕一を演じるのは、Kis-My-Ft2のメンバーとして活躍する藤ヶ谷太輔。裕一と5年間同棲している彼女・里美役に前田敦子、親友・伸二役に中尾明慶が、舞台と同じ役柄で続投。映画から新たなキャストとして、裕一の父・浩二役、母・智子役に、豊川悦司、原田美枝子が名を連ね、姉・香役に香里奈、バイト先の先輩・田村役に毎熊克哉、大学の後輩・加藤役に野村周平ら個性的で魅力あふれるキャスト陣が集結。脚本・監督を務めるのは三浦大輔。
舞台挨拶の冒頭では、作品の内容にちなんで“舞台挨拶から逃げた”藤ヶ谷が、共演者と監督が待つステージに客席を通って登壇する演出で会場を沸かせた。その藤ヶ谷は「みなさんが送ってくださった感想を紙にしてくれて読ませていただいて」とSNSで寄せられた感想を紙で読んだことを明かし、「“こういう演技ができるんだ”という感想はすごく嬉しかった」と喜びを見せた。一方で「(Kis-My-Ft2の)メンバーには初めて自分の作品のチケットを渡しました。『映画よかったら観てください』って敬語だった。恥ずかしさもあるし、挑戦を見届けていただきたいという思いで」と明かした。
そんな中で、“舞台版を観ておきたかった”という感想もあることから「もしかしたら再演の可能性も…」と三浦監督が言いかけると、藤ヶ谷は「あ、今日は寒いので気を付けてくださいね!」と話をそらし、会場に笑いに包まれた。
また、改めて劇場で鑑賞したという三浦監督は「裏ストーリーを描いたらおもしろいと思った」と話した。藤ヶ谷は「答えを観てくださった皆様に委ねる映画で勝負させていただいている」といい、「観るときの心情によってちょっとずつ変わっていくのはギミックの大きな一つかな」と語った。
舞台から映画のプロモーションまでを通して、「より距離が近づけたし、お互いのLINEも交換してご飯行こうという約束までしたのは大きな一歩。映画の(撮影の)時は楽しい思い出がなかったのでよかったです」と振り返る藤ヶ谷。前田は「会うとホッとします」と笑顔を見せ、中尾は「藤ヶ谷くんが全くめげずに明るく常にいてくれた。それがなかったら乗り切れなかった」と振り返った。
三浦監督は「舞台から5年経っているので、3人は特に5年間この作品に付き合わせちゃったというか、よくやってくださったので感謝しかないです」と感謝の気持ちを口にした。それに藤ヶ谷は「5年間同じ役とか作品を考えることはなかなか経験がない。役、作品、スタッフのみなさんに巡り合えたのは財産ですし、これからも自分の中で大切にしていきたい。みなさんにとっても大切な映画になれば」と思いを語った。
最後に藤ヶ谷は「この映画は僕の中で“なんかいい映画”だと思っているんです。“なんか”という言葉は映画の中でも僕の演じるキャラクターも言っていますけど、言語化できないけど、“なんかいい映画”なんじゃないかなと思っています。生きるヒントになったらいいなと。コンディションとか気持ちでこの映画の観え方が変わると思います。みなさんの人生の中でこの映画がずっと残ったらいいなと思っています」とメッセージを送った。
また、「楽しかったです。機会があったら三浦監督の作品にご一緒したい」と話す藤ヶ谷にと、三浦監督は「言いましたね」とニヤリ。「軽いやつだったら!」と付け加える藤ヶ谷に前田は「軽いなんて絶対ないですよ(笑)」と返し、藤ヶ谷は「ごめんなさい、やめます(笑)」と前言撤回し笑いに包まれた。さらに藤ヶ谷は「三浦さんに俳優の道を広げていただけたと思っています。今後三浦さんとタッグを組むことはないかもしれませんが、もし何かありましたらいろいろな作品を観ていただければ」とイベントを締めた。
【写真・文/編集部】
『そして僕は途方に暮れる』は全国で公開中!
脚本・監督:三浦大輔
出演:藤ヶ谷太輔、前田敦子、中尾明慶、毎熊克哉、野村周平/香里奈、原田美枝子/豊川悦司
配給:ハピネットファントム・スタジオ
©2022映画『そして僕は途方に暮れる』製作委員会