『レジェンド&バタフライ』のオンライン・ファンセッションが2月15日(水)に行われ、木村拓哉、大友啓史監督が登壇した。

誰もが知る織田信長と、謎に包まれたその正室・濃姫(別名:帰蝶)の知られざる夫婦の物語を総製作費20億円の壮大なスケールで描く本作。主演の木村拓哉が織田信長を、綾瀬はるかが濃姫を演じ、脚本・古沢良太、監督・大友啓史という日本の映画界を牽引するスタッフが名を連ね企画発表と同時に大きな話題を呼んだ。政略結婚という最悪の出会いから始まった2人は、いかにして真の夫婦となり、共に天下統一へと向かっていったのか?魔王と呼ばれながらも時に悩み苦しむ信長を<ひとりの人間>として描き、その側で支え続けた濃姫との知られざる物語が誕生した。

イベントの前には、前日の14日に死去が発表された東映 代表取締役社長の手塚治さんに黙とうが捧げられた。木村は「自分が京都太秦の東映撮影所でお世話になって、その場を後にするときに、本音半分冗談半分というか照れくさくて、しっかりと別れの挨拶をするのが恥ずかしくて。それで『次戻ってくるときは信長として戻ってきたいです』と伝えさせていただいたら、今回この作品で叶えてくださった」と振り返り、「改めてありがとうございましたと思っていました」と語った。

今回行われたイベントについては「地方キャンペーンを回らせていただいていた間に、東映のスタッフの方に『ぜひやらせてくれ』と監督と僕から直訴したんです」と明かした木村は「ご覧になったみなさんの感想を直の声で聞くことが今までできていないので、こういう機会を与えていただけたら嬉しいと話していたら実現した」と感謝の気持ちを口にした。

イベントには、本作の“地方宣伝大名”として約50名がリモートで参加。天下布武キャンペーンの日本地図を見ながら「映画にちょっとでもタッチしているところは赤く染まってくださっている」と喜ぶ木村。さらに大友監督が一人で行っているプロモーションについても「全部チェックしています」と話し、大友監督は照れ笑いを浮かべていた。

画面いっぱいに映る参加者に「嬉しいですね」と改めて笑顔を見せる木村だが、これまでに寄せられた感想に「史実に詳しい方が観てくださった上での見解があるんだなと思っていた」と明かしつつ、歴史が好きだという方からの絶賛のコメントに「ポジティブに捉えてくださるとすごい嬉しい」と笑顔。さらに今回の作品を観て「身近に信長様を感じられたので楽しかった」という感想に、木村は「ありがとうございます」と感慨深げな様子だった。また、「新時代の時代劇にふさわしい、新しい伝説になる作品だと思いました」と大絶賛する感想に木村は「本当に嬉しいし、こういう方たちが観てくれるから現場は全力でできる。やりがいを彼がいま提示してくれた」と喜んだ。

撮影では「監督がカットをかけない人。カットがかかるまでは自分たちはつながった時間が流れ続ける。カットの声がかかるまでは続ける」と話す木村だが、これに大友監督は「カッ…と言おうとするとまだ面白いことが続いてる」と明かし、「ヒントを見つけ出せる瞬間もある。そのシーンでは使えないにしても、違うところに展開できるかなと、そういう探りをしている時もある。ほかのどこかのシーンに活きてくるかもしれない」とカットをかけない理由を明かした。一方で木村は「目の前にいる相手の方を120%で感じるだけなので、自分がどう思ったというよりも、目の前の人がどんな表情でどんな力で自分を引っ張ってということへの反射なので」と語った。

木村に大友監督と再度タッグを組むとしたらどんな作品に出演したいかを聞かれると「僕も大友監督とタッグを組みたいと思ってる」と話す木村は「地方を回らせていただいているときに、いろんな内容でこういうテイストでこういう温度のものがあったら面白くないですか、という話は大友監督とご飯屋さんでさせていただいたり」と明かし、大友監督も「今回の信長を木村さんとご一緒して面白かったです。俳優・木村拓哉は、ナマモノで面白いんです。これから公開が落ち着いてじっくりいろいろ考えてみたなという気はしています。ご縁があればぜひお願いします」と笑顔を見せ、今後の再タッグを期待させた。さらに木村自らが気になる“大名”に声をかけ、質問するなどイベントを盛り上げた。

【写真・文/編集部】

『レジェンド&バタフライ』は全国で公開中
監督:大友啓史
出演:木村拓哉、綾瀬はるか、宮沢氷魚、市川染五郎、音尾琢真、斎藤工、北大路欣也、伊藤英明、中谷美紀
©2023 「THE LEGEND & BUTTERFLY」製作委員会