『シング・フォー・ミー、ライル』の日本語吹替版完成披露舞台挨拶が3月1日(水)にTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、大泉洋、石丸幹二、水樹奈々が登壇した。
ニューヨーク。何をやっても上手くいかず、ショービジネス界から追放寸前のショーマンのヘクターは、自分の人生を変えてくれる、驚きに満ちた、まるで魔法のような「何か」を探していた。ヘクターが路地に佇むある古びたペットショップに足を踏み入れると、店の奥からほのかに歌声が聴こえてくる。人の声とも違う、何とも不思議で、魅惑的な歌声。その声をたどって引き寄せられるように店の奥へと進み、山積みされたケージをかき分けると、歌っていたのはなんと、<一匹の子ワニ>だった――。
「去年の夏くらいからトレーニングをして挑んだ仕事でしたので、こんなに完成が楽しみな映画も久しぶりでした」と振り返る大泉は「出来上がったのを見た時は感無量」と語った。セリフがない役ということについては「新しい挑戦」と話し、「ミュージカル映画の吹替ということで、しかも歌を作っているのは『グレイテスト・ショーマン』と『ラ・ラ・ランド』のチーム。“これはやるっきゃないな”という思いでした」と明かした。また、オリジナル版ではショーン・メンデスが担当しているライル役だが「共通点はスーパースターというだけ」と笑いを誘った。
その出演経緯については、オファーがあったのちにテストがあったという大泉だが「字幕がつく前に話があった」と言い、英語でテストを受けたというが「どこにも披露する場がない」とぼやいた。
一方で、石丸が演じるヘクターはオリジナル版をハビエル・バルデムが演じていることで「この声を当てなくちゃいけないんだというのはプレッシャーになりました」と明かしつつ、「彼の声に寄せていけばいいのか、自分らしさを出せばいいのかも自分で考えなきゃいけない」と吹替ならではの難しさもあったという。しかし、「僕らが(オーディションを)受けているときはいい感じに歌詞が(笑)」と明かす石丸に「その辺おかしいじゃないですか」と、大泉だけ英語で受けたことに再びぼやいた。
実写ミュージカル映画の吹替に初挑戦となる水樹は「難しかったんですけど、すごく楽しかったです」と笑顔を見せ、大泉の声が入った状態でアフレコを行ったと言い「導いていただいた」と明かした。「こんな声を出されるんだ」と驚くもあったという石丸に、大泉はマイケル・ジャクソンのモノマネを披露しながら「ライルの登場シーンはほぼほぼマイケル(・ジャクソン)です」と笑いを誘った。
「歌の力がすごい。楽曲がすごいから見ちゃいます」と本作を見た思いを語る大泉。石丸も「センスがある。歌っているほうの気持ちを掻き立てるナンバーを書いてる。みんなの前で歌いたいと思うナンバー」と大絶賛した。水樹も「メインテーマになっている曲はいろんなシーンで出てきて、同じメロディでもシーンと描写が違うとこんなに違って聞こえるんだ」と語った。また、英語歌詞の楽曲も披露している大泉は「めちゃくちゃ難しかった!合わせるのがめちゃくちゃ難しい」とぼやいた。
さらにイベントでは、音楽スタッフのベンジ・パセック&ジャスティン・ポールから3人への手紙を代読。しかし、水樹、石丸へのメッセージをMCが代読し、大泉へのメッセージを読み始めると、“もうちょっと溜めて欲しい!”とリクエストする大泉。さらに納得がいく読み方をするために、大泉自身が手紙を代読し、会場を沸かせた。
最後に水樹は「いつも歌は嘘がつけないものだと感じているんですけど、ライルの歌声はとても純粋で、だからこそ人の心を動かすと感じました」、石丸は「まさにミュージカル映画です。紡がれていく人々のドラマ、出演しているキャラクターが成長していく。見守っていただければ」、大泉は「ミュージカル映画としても素晴らしいし、途中切なくもなるし、勇気づけられることもある。生きていれば抱えている苦労だったり、コンプレックスがあると思うんですけど、それが少年の家族とライルとヘクターと、全員が抱えているコンプレックスが自然と解けていく映画です。明日も頑張ろうと思える映画。どこかで必ず感動できますし、ほろっと涙が出る不思議な映画です。精一杯歌わせていただいたので吹替版も楽しんでいただいて。字幕ももちろんいいんです。どちらも楽しんでいただければ」とメッセ^時を送った。
【写真・文/編集部】
『シング・フォー・ミー、ライル』は2023年3月24日(金)より全国で公開
監督:ウィル・スペック&ジョシュ・ゴードン
声の出演:ショーン・メンデス
出演:ハビエル・バルデム、コンスタンス・ウー、ウィンズロウ・フェグリー、スクート・マクネイリー、ブレット・ゲルマン
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント