『シン・仮面ライダー』の大ヒット御礼舞台挨拶が4月9日(日)に丸の内TOEIで行われ、池松壮亮、浜辺美波、柄本佑、森山未來、庵野秀明監督が登壇した。
1971年「仮面ライダー」放送から50周年の記念日となる2021年4月3日に、製作及び2023年3月の公開が発表された『シン・仮面ライダー』。脚本・監督には、総監督を務めた『シン・エヴァンゲリオン劇場版』が興行収入102.8億円を記録する大ヒットを記録したことも記憶に新しい庵野秀明、主人公・本郷猛/仮面ライダーには池松壮亮、ヒロイン・緑川ルリ子には浜辺美波、一文字隼人/仮面ライダー第2号に柄本佑を迎え、新たなオリジナル作品として制作された。
今回行われた舞台挨拶には、池松壮亮(本郷猛/仮面ライダー)、浜辺美波(緑川ルリ子)、柄本佑(一文字隼人/仮面ライダー第2号)、緑川イチロー/チョウオーグ/仮面ライダー第0号というキーパーソンを演じた森山未來に加え、脚本・監督を担当した庵野秀明が登壇した。
舞台挨拶のMCを務めた庵野監督が「現場はどうでしたか?」とざっくりと質問を振ると、それぞれの撮影の思い出を振り返るキャスト陣。「かこいいけど動きが制限されるライダースーツすごいな」という森山、柄本は「非常にスタイリッシュ」と印象を語った。そんな本作について庵野監督は「現場でも考えながらだったり、編集しながらもどれだけ削るかをやってました。50年前に近づきすぎてもおもしろくないし、離れすぎてもおもしろく。初めて見た人も違和感を感じないバランスは最後まで苦労しました」と明かした。
初号試写では「効果音と共に(最初の)登場のところがかっこよかった」と興奮気味の柄本、「アレンジもすごい。残し方とアップデートの仕方。かっこいいですよね」と共感している様子の池松だが、撮影については「あれはすごかったですね。あらゆる角度で撮りました」と振り返り、庵野監督も「リテイクが一番多い。池松くんのスケジュールがある限り撮ってた」と明かした。
「エヴァンゲリオンも終わって、ヒーローシリーズもひと段落。この先は司会業として?」と質問を投げかける森山に、庵野監督は「しばらくはバイトで」と笑いつつ、「次回作は何も決まってない。30数年ぶりに白紙の状態」と明かした。
一方で、柄本が「続編の構想はあったりするんですか?…今ないって言ったけど(笑)」と笑いを誘ったが、庵野監督は「企画はこれの脚本を書いてるときから書いてる。最初に続編が可能なものにしておこう」と考えがあったというが「現実的には白紙ですけど構想としては残っている。続編はタイトルも決めていて、“仮面之世界”と書いて“マスカーワールド”と読む。プロット的には日本政府がショッカーの…」と話し始めると「そんなに言っちゃっていいの?(笑)」と笑うキャスト陣。さらに「政治家と官僚がショッカーに入っていろいろとやろう」と構想を語り、会場を盛り上げた。
浜辺は「(仮面ライダーは)どこが一番魅了される場所だと思いますか?」と問いかけると「最初からやりたかったのはラストシーン。地元で撮影したんですけど、連日晴れて、最終的には最後のテイクを選んだ。脚本を書いてるときからあそこで撮ろうと。たいていの映画で一番好きなのはエンディングに切り替わるところなので音楽にこだわりました」と話し、そのエンディングの楽曲は「僕の好きな曲」と明かした。
また、本作について「庵野さんの周りの反応はどうですか?」と聞く池松に、「『シン・ゴジラ』と『シン・ウルトラマン』を全くスルーだった友達がものすごい熱量でメールをくれる」と明かす庵野監督は「熱量が一番あるのは今回」と明かし、池松も「刺さるところにとんでもなく刺さっている印象」と共感した。そんな本作を「3回見ています」と話す浜辺は「もうちょっと行くかな」と明かした。
舞台挨拶の終盤では、前田真宏描き下ろしの「仮面ライダー第0号」イラストが披露され、最後に池松は「ここまで見てくださった方、愛し応援してくださった方、本当にありがとうございます。これからも上映は続きます。またぜひ会いに来てください」とメッセージを送り、庵野監督は「監督としてはみなさんにご覧いただき、いい感想をいただいて作ってよかったと思っています。僕の場合は何か作るといろいろ言われちゃうので正直つらいんですけど、みなさんに直接お礼を言うことができてよかったです。僕個人として心が救われました」と感謝の気持ちを語ると、会場は大きな拍手に包まれた。
【写真・文/編集部】
『シン・仮面ライダー』は公開中
脚本・監督:庵野秀明
出演:池松壮亮、浜辺美波、柄本佑
西野七瀬、本郷奏多/塚本晋也、手塚とおる、松尾スズキ
仲村トオル、安田顕、市川実日子/松坂桃李、大森南朋
竹野内豊、斎藤工/森山未來
配給:東映
©石森プロ・東映/2023「シン・仮面ライダー」製作委員会