北野武監督映画『首』の完成報告会見が4月15日（土）に都内で行われ、北野武監督、西島秀俊、加瀬亮、中村獅童、浅野忠信、大森南朋らが登壇した。

北野武監督の最新作にして構想に30年を費やした戦国スペクタクル『首』が2023年秋より全国で公開される。舞台は戦国時代。日本人なら誰もが知る戦国武将、羽柴秀吉、明智光秀、織田信長、徳川家康らと“本能寺の変”を、北野武監督が一大スケールで描く。信長の跡目を巡り、繰り広げられる裏切りと策略と戦。それぞれの野望が“本能寺”に向かって動き出す。1997年『HANA-BI』でヴェネツィア国際映画祭金獅子賞、2003年『座頭市』で銀獅子賞を受賞、2017年『アウトレイジ最終章』は同映画祭のクロージング作品に選ばれるなど、数々の歴史的快挙を達成してきた、日本が世界に誇る映画監督北野武が再び世界に挑む作品が誕生した。

豪華キャストが集結する本作では、北野武⾃らが“本能寺の変”を策略する⽻柴秀吉を演じ、織⽥信⻑に複雑な感情を抱く明智光秀を⻄島秀俊が演じる。加瀬亮が狂乱の天下⼈・信⻑を怪演し、浅野忠信と⼤森南朋も秀吉を⽀える軍師・⿊⽥官兵衛と弟の⽻柴秀⻑をユーモアたっぷりに演じ切る。さらに秀吉に憧れる百姓・難波茂助を演じる中村獅童が北野組に初参戦。他にも⽊村祐⼀、遠藤憲⼀、桐⾕健太、⼩林薫、岸辺⼀徳らが歴史上の重要⼈物を独⾃のキャラで演じる。

今回、時代劇を撮ることについて、これまでの作品では描かれていない部分があるという北野監督は「自分が撮ればこうなるという発想でやろうとなって、だいぶ苦労したんですけど、どうにか出来上がって。映画が出来上がったのは、スタッフならびに役者さんのおかげです」と感謝の気持ちを語った。北野監督作品への出演は『Dolls』（2002）以来となる西島は「成長した姿を見せようとは考えずに、監督の頭の中にある作品を現実の世界に表に出すために力を出し尽くそうと毎日望んでいました」と明かした。「アウトレイジ」シリーズに出演していた加瀬は「（同作では）自分とは遠い役を演じていて大変だったんですけど、今回も難しいだろうなと思って参加しましたが、案の定大変な目にあいました（笑）」と笑いを誘った。

「いつか出演させていただきたいという夢でした」という中村は、大森からは自分から言ってみればいいというアドバイスを受けたというが「自分の口から言うことが出来なくて」と語りつつ、オーディションがあれば受けたいと思っていたタイミングでオファーを受けたことで「こんなことってあるんだ」と喜びを表現し、「新しい中村獅童を引き出してくれた。感謝の気持ちでいっぱい」と明かした。『座頭市』以来という浅野は「楽しく演じることができました」と笑顔を見せ、「常に横にいられる役でもあったので濃密な楽しい時間を過ごせました」と話した。

本作を作るきっかけについては「信長が出てくると“本能寺の変”が出てくる」と話す北野監督は「（説が）80くらいある。自分が考えるのは、裏で秀吉がかなり動いたなというのがこの映画の構想」と振り返り、「いずれ映画化しようと思った」と明かした。そんな本作に、北野組への出演経験があるキャストが再び集まったことに「雰囲気が分かっている人ばかり」と話す北野監督は「声をかけるとスケジュールをうまく調整してくれて。ありがたいことです」と改めて感謝した。

また、撮影について西島は「撮影の後半で『ワンシーン追加したい』とおっしゃって、結構大きなセットを組んで撮影をしたんです。僕も新しいシーンが追加されたのが嬉しくてワクワクして現場に行ったらワンカットで終わって。こんなセット組んでワンカットで…。贅沢な監督の欲しい画のためにそれだけのモノを作る素晴らしい現場」とエピソードを披露した。最後に北野監督は「この映画が大ヒットまでは言いませんがヒットしていただいて、あと何本か撮れるような状態になればいいなと思っています」とメッセージを送った。

【写真・文／編集部】

『首』は2023年秋に公開
監督・脚本：北野武
出演：ビートたけし
⻄島秀俊、加瀬亮、中村獅童
⽊村祐⼀、遠藤憲⼀、勝村政信、寺島進、桐⾕健太
浅野忠信、⼤森南朋
六平直政、⼤⽵まこと、津⽥寛治、荒川良々、寛⼀郎、副島淳
⼩林薫、岸部⼀徳
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