『ヴィレッジ』の公開御礼舞台挨拶が5月1日(月)にTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、横浜流星、一ノ瀬ワタル、奥平大兼が登壇した。
本作は、「村」という閉ざされた世界を舞台に、そこで生きる人々のきれいごとだけでは生きていけないリアルな姿を、圧倒的な映像美と世界観で描き、同調圧力、格差社会、貧困、そして道を誤ったら這い上がることが困難な社会構造の歪みといった現代日本が抱える闇をあぶり出す異色のサスペンス・エンタテインメント。監督を務めるのは話題作を手掛ける藤井道人監督。主人公の優を演じるのは横浜流星。どこにも居場所を見つけられずに生きてきた青年が、自分とこの世界をつなぐ唯一の希望を守るためダークサイドに転じる姿をリアルに体現し、黒木華、古田新太、中村獅童をはじめとした豪華出演陣との共演で、“今までに観たことない横浜流星”として新境地を魅せる。
劇中では、横浜演じる優を目の敵にしている透役を演じた一ノ瀬と、優とともにゴミ処理施設で働き、透からもいびられてしまう龍太役を演じた奥平という因縁の3人が集結した今回の舞台挨拶。強烈なヒールを見事に演じきった一ノ瀬の印象について横浜は「やられるシーンしかなかったですよね(笑)」と話すと、一ノ瀬も「そっすよね」と苦笑い。横浜は「実際はすごくキュートな方ですが、撮影中は役としてみていたのですごく怖かったです。(優と透のアクションシーンは)物語としても、優としても、分岐点となる大事なポイントだったので、集中力も大事で。(優にとって透は)絶対にかなわない相手だけど、大事な人を守りたいという一心で立ち向かわなきゃいけなくて…しびれました」と撮影時に苦労した重要なシーンの裏側を明かした。
しかし、だからこそ「達成感もありました」と充実した内容になったことへの手応えを語ると、一ノ瀬も「夜が明けてしまいそうで時間もなかったから焦りましたよね」と和気あいあいとした雰囲気で撮影時の思い出を振り返った。また、「これまでアクションシーンをたくさん演じてきましたが、横浜さんはすごいです!角度的に、本当にビンタを当てなきゃいけない場面もあったんですけど、『あたった瞬間よけるから大丈夫』と言ってくださって…。自分もキックボクシングをやってきたから分かるんですが、それって長年の経験がないとできないんですよ。これをやる俳優さんは初めてでした」と横浜は空手、一ノ瀬は格闘技で実力を持つ2人だからこそできた奇跡のアクションシーン裏話について熱弁。横浜も「一ノ瀬さんだからできました」と強い信頼を寄せ、撮影に臨んだことを明かした。
一方で優とともにゴミ処理施設で働き、透からも過酷な目に合う龍太を演じた奥平は「クランクインのシーンが、優が透に殴られるシーンで…一ノ瀬さんめちゃくちゃ怖かったです。でも、撮影中にうさぎを飼っていると聞いて。あれ?かわいいな、と」と一ノ瀬の大きな体からは想像できない意外なエピソードを暴露し、場内からも笑いが。「ゴミ処理施設の人たちも、実際はやさしくて明るい人が多かったですね」と作品の雰囲気とは真逆の撮影現場の様子を明かしていた。
藤井組の撮影では、キャラクターの好きな音楽などを細かく分析したキャラクターシートが配られるのが定番だが、本作では優はamazarashi、透はYOASOBI、龍太は舐達麻が好きという設定だったことが明かされると、横浜は「優は監督と僕の分身にしたいと言われていたので、撮影中もずっとamazarashiさんの曲を聞いていて。役として生きやすかったです。龍太が舐達麻というもの知っていたけど…透がYOASOBI!?」と思わずツッコミ。これには奥平も「初耳です!」と追随すると、一ノ瀬は「YOASOBIと韓国映画ばっかり観てました。恋愛映画好きという設定で…透にとってはこの作品はラブストーリー。美咲への想いが募っていきました(笑)」とまるで少女のような笑顔でキュートな撮影エピソードを披露。横浜もそんな一ノ瀬に対し「最初はギャップに驚きましたが、知れば知るほど愛らしくなる方ですよね。撮影現場でも、かわいいって言われていて。みんな(一ノ瀬さんのことが)大好きだったと思います」と明かし、一ノ瀬が「うわ!嬉しい!!」と照れる一幕も。シリアスな作品の雰囲気とは違い、キュートでお茶目な秘話が続々と飛び出す舞台挨拶に、場内にも終始笑いが起きた。
また、すでに作品を鑑賞した観客からのコメントが読み上げられると「嬉しいですね。この作品は皆さんに委ねる部分が大きいので、これほど感想が気になる作品はないんです」と明かす横浜。一ノ瀬は「ガラスのハートだから、エゴサーチとかできなくて(笑)こういった声を聞けて嬉しいです!」と明かした。
最後に奥平は「若い人と大人が観るのとでは感じ方・目線が違う作品だと思います。それが面白いところ。19歳の今の僕と、数年後にこの作品を観た時はまた違うモノを感じる気がしていて。数年経ってからでもこの作品を観てみて欲しいです」、一ノ瀬は「この作品は、横浜さん、奥平さん、藤井監督とか色々な出会いがあって、想いが深いものになりました。特に亡くなったスターサンズの河村プロデューサーは恩人です。その最期の作品の一つに出演できたことも、たくさんの方に観てもらえていることも嬉しいです」、横浜は「たくさんの方に観てもらえていると感じています。すごく嬉しいですが、まだまだ皆さんに届けたいと強く思います。観てくださった方に、色々なことを届けられる作品です。ぜひ、お力添えをお願いします」とメッセージを送った。
【提供写真・オフィシャルレポート】
『ヴィレッジ』は全国で公開中
監督・脚本:藤井道人
出演:横浜流星、黒木華、一ノ瀬ワタル、奥平大兼、作間龍斗、淵上泰史、戸田昌宏、矢島健一/杉本哲太、西田尚美、木野花、中村獅童、古田新太
配給:KADOKAWA/スターサンズ
©2023「ヴィレッジ」製作委員会